5年連続の野球人口減に隠された「指導者はツライよ」の声 (2/2ページ)

リアルライブ

ひと昔前なら、『バカヤロー』と怒鳴ればおしまいになった若手指導も、今では『大丈夫かい?』と優しく聞かなければならないと言って」(前出・同)

 優しくすることと、人気と競技者人口の回復は違うと思うのだが…。

 高校野球の現場にしても、そうだ。「絶対に怒らないこと」でも有名な某私立校の名将がいる。

 「伸び悩んだり、試合でミスをした選手を呼び出し、ケーキなどの甘いものを食べながら語り合うんですよ。なぜミスをしてしまったか、これからはどうすればいいのかを」

 同校の指導だ。しかし、四半世紀前、彼の下で鍛えられた元プロ野球選手によると、「当時は怖かった」と言う。「このままでは時流に合わないと悟って、指導方針を変えたのだろう」とも話していた。

 「自分がお世話になった時代は、日曜日の練習だと、午前中に立てなくなるまでノックの雨を浴びせられ、昼食休憩の時にドロだらけになったユニフォームを合宿所の洗濯機に放り込み、そのユニフォームがまだ乾かないうちに、それをまた着て、午後の練習に臨みました。試合でミスをしたら、練習が倍になるだけ。今はケーキですか…」(同)

 「イヤなら辞める」の発想が、当然の世の中になったからだろうか。高野連のデータには、深い世相問題も秘められているようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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