【本好きのリビドー】 (1/3ページ)

週刊実話

【本好きのリビドー】

◎悦楽の1冊
『米韓同盟消滅』 鈴置高史 新潮新書 740円(本体価格)

★朝鮮半島情勢「先読みのプロ」が解く冷徹な現実

 少年の頃、父親に連れられてソウル五輪開催直前の韓国を旅したことがある。

 地下鉄で座席に腰かけていると、同年配の男の子が電光石火の早業で乗客の膝の上にガムやチョコレートを乗せてゆくのが新鮮な光景だった。素直に買う人間はその場で金を払い、買う気のない客は黙って腕を組んだままで物が少年の手で回収されるのを待つ。ほとんどが後者だった気がするが、思えばあの時分の彼の国は、現在と比べればまだはるかに落ち着いていた印象が子供心にも残った。大韓航空機爆破事件で工作員の金賢姫が逮捕されて間もないだけに、国全体に緊張感もまだちゃんと漂っていた観が…とまで言うと記憶の捏造になりかねないので控えるが、少なくとも今ほどひどくは確実になかった。

 従北・親中・反米・卑日(この概念を本書で初めて教えられた。“「自分よりも下の存在」を徹底的に貶めることで「自分が上であること」を確認するのが常”の韓国社会にとっては、もはや『反日』などという手あかのついたレベルでなく『卑日』、日本に関わるあらゆる事象をことごとく賤しめ、辱め、その評価を地に落とすのがいまや半ば自己目的化してしまっているのだから厄介至極、どころか地獄)路線を爆走する文在寅政権。しかし、その出現は決して突然変異な現象でなく、いかに歴史的必然性を帯びてのものかを明確に説き明かす本書こそ、喫緊の必読文書だ。おためごかしの「でも、最後はやっぱり友好第一」のごとき寝言がまとめて粉砕されるだろう。

 著者の主張に異論が一つだけ。ただ今の韓国を“中二病”に例えるが、さすがに言葉がすぎはしないか。きょうびの平均的中学二年生はあそこまで唯我独尊かつ居丈高な幼児性丸出しではないはず。名誉の為に一言。
(居島一平/芸人)

【昇天の1冊】

 〈いよいよ宅見組長を撃たなあかん。

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