全ては日光浴の為。19世紀後半のフランスで日光療法の為に設置された大がかりな回転式サンルーム (1/3ページ)
太陽の光を浴びることは人間に様々な健康効果を与えてくれる。例えばビタミンDをつくるのには日光浴が必要で、ビタミンDがなければカルシウムは吸収されない。
19世紀後半に、日光浴がクル病を防ぐビタミンDを生み出すのを促進することがわかり、ますます重宝されるようになった。
当時、患者を太陽光にさらして治療する日光療法が、皮膚病、ガン、骨結核などさまざまな病の治療法として確立された。
更に日光にさらされると、精神面にもいい影響を及ぼすことも当時から知られていたのだ。
・1929年、世界初の回転式サンルームが誕生
パリで化学線学の研究所を運営していたジャン・セドマン博士も、この効能に気がついていた。
セドマンは、1897年、ルーマニアに生まれ、10代の頃にフランスに移住してきた。医学を勉強し、科学の一分野である高エネルギー光の化学的影響を研究する化学線分野の最初の専門家になった。
1929年、より効率的な紫外線治療を行うための回転式サンルームを設計し、特許をとった。
ジャン・セドマン博士
・太陽の動きに合わせて回転する大掛かりな設備
世界初の回転式サンルームは、フランス南東部のサヴォイアルプスにあるエクス・レ・ベンに建設された。
建築家のアンドレ・ファルデが設計したもので、建物は、待合室と検査室のある一階とその上に尖った円錐形の屋根をもつ小塔があり、その内部にあるエレベーターとらせん階段で上に上がることができるようになっていた。