#へんてこアート入門 ゆるい絵がまったり集まった美術展「日本の素朴絵」 (3/5ページ)

学生の窓口

おようのあま絵巻

「おようのあま絵巻」二巻 室町時代(16世紀) サントリー美術館

御用(およう)の品を大きな布袋に入れて売り歩く老尼が、草庵の坊主に身の回りの世話をする娘を紹介しようと持ち掛け、坊主はつい依頼してしまいます。吉報を待つうちに、いよいよ娘を迎え入れ一夜を共にするが、翌朝隣に寝ていたのは、おようの尼だったというお話です。

――おもしろいお話ですね。

清水学芸部長 いろいろ当たってみたが、似つかわしい人が見つからず、自分がお仕えしようと考えたというのです。これも前世からの縁があったのだと坊主を口説きますが、坊主はあぜんとして何も言えませんでした。最後は、二人で念仏を唱えるところで、絵巻は終わっています。

坊主の弱気な下心につけ込んだ「おようのあま」のしたたかさは、なんともいえないおかしみがあります。ゆるい描写は漫画のようで、派手な柄の大きな布袋を持ったおようの尼は、まさにゆるカワ系ですが、絵の構図と展開は芝居の舞台を見ているようで素晴らしいですね。

展覧会の楽しみ方

――より企画展を楽しむためのポイントはなんでしょうか? 展覧会に行く前に準備しておけばいいことなどはありますか?

三井記念美術館

清水学芸部長 何も準備しないで、楽しく見るつもりでご来館いただければよいかと思います。強いてあげるとすれば、展示の解説にも、数点「あらすじ」を付けましたが、絵巻や絵本などは物語になっていますので、「あらすじ」を知っていると、より楽しく見られると思います。

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