中学受験。途中で「やめる」のはアリかナシか?

アサジョ

中学受験。途中で「やめる」のはアリかナシか?

 小学3年生から進学塾に通わせ、学校でも成績は抜群。5年生まで何事もなく、スムーズに目標に向かって進んできたはずのNちゃんが、その夏、いきなり全く勉強しなくなりました。

 お母さんからご相談をいただいたのは、8月の終わり頃。夏期講習後の定着テストの結果があまりにも低く、これまでのNちゃんならば特進クラスにいられるはずが、クラスを落とすしかない状態になったそうです。お母さんはもうどうしたらいいか分からないといった様子で、「受験をやめたいと反抗しているんです」と伝えてくださいました。

 Nちゃんは宿題をやって来ず、心がどこかに行ってしまったようで、ノートもきちんと取りません。取るフリはしているようですが……。何度講師に注意されても携帯から手を離さず、このままでは受験も成功しないと真剣な話をしても響かない。ご家庭での様子を聞くと、母親に反抗して遊びに出かけてしまうばかりで、何を伝えても気にも止めてくれないといいます。

 Nちゃんに、何が起こったのでしょうか。まずはNちゃんの話を聞くことに。お母さんにも同席してもらって面談をしました。最初のうちは黙ったままのNちゃん。無理やり勉強をさせようとしているのではないと分かると、少しずつ気持ちを吐き出して「どうして勉強しないといけないのか分からない」と、真剣な表情でお母さんに伝えたのです。

 彼女には、小学校の大切な友だちと遊ぶ時間も、クラスのリーダーとして放課後に催しものの準備をする時間も必要でした。そんな時間を削ってまで本当に勉強をする意味があるのかと、自問自答も繰り返してきたようです。

 その後、親子でじっくりと話し合ってもらい、将来の夢に向かってしっかりと学問に取り組み続ける約束で、中学受験をやめることにしたNちゃん。今では地元の中学校からハイレベルな高校へ進学し、学業でも実績を出しているといいます。

 中学受験勉強は甘くありません。受験に向けて前向きでなければ、最後まで頑張り抜けない世界です。だからこそ、家族全員が同じ方向を向いて進んでいく必要があります。そこに本人の強い意識があるかどうか、事前に確認することも大切でしょう。また、経験を積んだうえでやはり私の人生はこうでないと思うのであれば、逃げるのではなく別の道で進む、という選択肢もあるようです。

(Nao Kiyota)

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