どんな行事?9月9日は一年間の大きな節目「重陽の節句」秋の風物詩を菊酒で楽しもう (2/2ページ)
その製法は菊の花を酒に浸したシンプルなものから、菊の花を漬け込んだ水や、菊の香りを移した米で酒を仕込むなど趣向を凝らしたものまで、バリエーション豊かに伝わっています。
その習慣が次第に重陽の節句や秋祭りなどに採り入れられ、やがて秋の風物詩として普及していったのでした。
終わりに他にも、平安貴族の中には「菊の着綿(きせわた)」という習慣があり、菊の花を綿で包み込んで一晩置くと、夜露と菊の香り(揮発した薬効成分)が混ざって綿に含まれるので、明くる朝にその綿で身体を拭うと無病息災でいられたそうです。
月見で一杯、楽しみですね。
まだまだ残暑が続くと思っていたら急に朝晩冷え込むなど、何かと体調を崩しやすいこの季節。先人たちの知恵を顧みながら、訪れる秋の風情を楽しむゆとりを持ちたいものです。
※参考文献:神崎宣武『「まつり」の食文化』角川選書、2005年9月1日
角田文衛監修『平安時代史事典 CD‐ROM版』角川書店、2006年10月31日
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