どんな行事?9月9日は一年間の大きな節目「重陽の節句」秋の風物詩を菊酒で楽しもう (1/2ページ)
現代ではあまり注目されていないようですが、9月9日は昔から「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれ、一年間の大きな節目に当たる「五節句」の一つに数えられています。
又の名を「菊の節句」とも呼ばれるこの行事について、今回は紹介したいと思います。
重陽とはまず、重陽とは文字通り「陽が重なる」ことを意味しており、ここで言う陽とは奇数のことを表わしています。
陰陽思想を表わす八卦太極図。世界のすべてが、陰陽のバランスで成り立っている。
これは古代中国大陸から伝わった陰陽思想に基づくもので、陰(いん。マイナス)と陽(よう。プラス)のバランスが世界を調和させるため、陰陽のどちらに偏っても良くないと言われています。
特に奇数の最大数である9が重なる9月9日は、夏の暑さで蓄積された疲労が心身に不調をもたらしやすい時期でもあることから、特に注意が払われました。
そこで邪気祓いとして重陽の節句が始まったのですが、やがて陽の重なりをめでたい事と考える逆転の発想から、秋を迎える季節の節目としてお祝いされるようになったそうです。
菊酒についてさて、そんな重陽の節句につきものである菊は、この時期(※)に咲いて秋の野に彩りを添える花として親しまれ、また古くから薬効が知られていたため、夏バテ解消の薬として菊酒が楽しまれていました。
(※)旧暦なので、現代で言うところの10月上旬くらいに当たります。
酒は百薬の長。
菊酒は古代中国より伝わったとされており、日本では平安時代ごろから健康長寿の薬として珍重されたそうです。