関西と近畿というコトバの起源。同じ西日本を指す言葉でも実はエリアが違います (1/2ページ)

Japaaan

関西と近畿というコトバの起源。同じ西日本を指す言葉でも実はエリアが違います

週末は調べごとを兼ねて、奈良と京都に行っていた筆者です。

さて、奈良や京都のあたりは「関西」や「近畿」などと呼ばれています。この「関西」と「近畿」という二つの言葉は、現在ではほぼ同じ地域を指す言葉として使われていますが、この二つの言葉の起源をさかのぼると、元来、意味が異なっていることが分かります。

大日本府県名所一覧 全(部分)

関西と近畿というコトバの起源

「関西」は、平安時代には「近江逢坂関以西の地」、鎌倉時代以降は「鈴鹿・不破・愛発の三関以西の諸国」、江戸時代頃には「箱根関以西の地」と認識されていました。

つまりこの言葉は、主に関東との対比で用いられるようになった言葉だったのです。

それに対して「近畿」の「畿」とはもともと古い日本語で、「都」のことを意味し、「近畿」は「皇居の所在地に近い国々」が語源となっています。現在の京都、大阪、滋賀、兵庫、奈良、和歌山、三重の2府5県を含む地域を意味しています。

端的にいえば、「三重県」を含まなければ「関西」、逆に含まれる場合は「畿内」と考えることができるようです。

用途によって使い分ける「関西」と「近畿」

現在、「関西」と「近畿」の違いが法律などでは定められていないため、これら二つの言葉の使い分けの基準やルールは存在しません。ところが、「近畿」には、「畿内」という由緒正しい地という由来があるため、行政機関や教科書などに用いられることが比較的多く、「関西」という言葉は民間企業で用いられることが多いようです。

「関西と近畿というコトバの起源。同じ西日本を指す言葉でも実はエリアが違います」のページです。デイリーニュースオンラインは、近畿地方語源関西カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る