美人と結婚したら蛇だった!日本神話に伝わる蛇姫との婚姻エピソードが示す歴史とは (2/3ページ)

Japaaan

天皇は早速、皇子を出雲へ向かわせます。そして出雲で参拝が済んだあとの皇子が、肥河(ひのかわ)で出雲の人に言葉をかけたことでお供の者が驚くのです。

皇子が話せるようになったことに喜び、天皇は出雲に立派な宮を建てました。垂仁天皇のころに、出雲大社が造営されたと日本書紀にも記載されています。

美人と結婚したはずが蛇だった

さて、出雲での参拝が終わったあとの皇子は、肥河で肥長比売(ひながひめ)と婚姻することになります。しかし肥長比売を覗き込むと、なんと蛇だったことが発覚。これには皇子もびっくりして逃げ出します。

爾其御子、一宿婚肥長比賣。故、竊伺其美人者、蛇也、卽見畏遁逃。爾其肥長比賣患、光海原、自船追來。故、益見畏以自山多和此二字以音引越御船、逃上行也。
引用元:古事記

船に乗って逃げ出した皇子を、光で照らしながら追いかけるという文面があることからも、肥長比売がかなり執着してたことが分かります。初対面の皇子に惚れてしまったのか、それとも逃げられたことでプライドが傷ついたのか。どちらにせよ逃げられたことに怒りを覚えたのでしょう。

最終的に皇子は逃げ切ることができたのですが、かなりトラウマものですね。ただ「美人」という言葉があることからも、見た目は人間だったはず。ということは、交わろうとしたら蛇だったのでしょう。……皇子のショックは計り知れません。

大和と出雲との関わり

本牟都和気命と肥長比売の話は、古事記に短い文面があるのみです。どういった意図でこの話が差し込まれたのかは分かりませんが、名前の共通点からも、肥長比売は肥河の化身だったのではないでしょうか。

つまり、肥長比売は「水神」だと考えられます。蛇や龍は水神の象徴ですからね。

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