思春期の恋を、大人の恋にアップデートしよう #大学1年生の転び方 (3/4ページ)
ですから、相談者さんが変わりゆく恋人を否定せず、そのまま受け止められるようになったらとてもうれしい……のですが、恋人がそんな包容力ありまくりの相談者さんに目もくれず、「新しいわたしの人生サイコー! 過去なんてどうでもいいー!」みたいな感じで、なんというか、脳内麻薬がキマってしまっているケースも十分考えられます。いずれ我に返ると思いますが、けっこう時間がかかるかも知れません。
わたしにも経験がありますが、そうなってしまうと、とにかく己の過去の全てが古くさい&ダサいと思えてきて、全然ときめかないので、捨てたくなるんですよ。
その「捨てるリスト」に「現在の恋人」が入ってしまうこともないとは言えません。
しかし、やれることはただひとつ。忍耐強く相手と向き合うこと。それだけです。もし別れようと言われたら、相手の意志を尊重して、いったん別れたほうが、あとでヨリを戻せるかもしれないとすら思います。
「お前はいま新しい環境のせいで頭がおかしくなってるんだーっ!」とか言って、強引に目を覚まさせようとすれば、その暴力性だけが相手に伝わってしまって、逆効果です。
俺にできるのは忍耐強く待つことだけかよ、と思われたことでしょう。明るい見通しを示せなくてすみません。でも、既婚者になってつくづく思うのですが、愛する人の変化をできる限り受け入れ、よくない状態のときには、慌てずじっくり様子を見ることが、夫婦関係を継続する上ですごく重要なんですよ。地味だけど、それが一番の近道です。
ただし、浮気とか二股とか、倫理的に許されないと思うことは、別に我慢しなくていいですからね!
つまり、相手の変化をできる限り受け入れることと、惚れた弱みでなんでも許すことは、わけて考えましょうということ。愛することと、甘やかすことは、まったくの別物。
それが理解できてこそ、大人の恋愛ができるってもんです。
文・トミヤマユキコライター、大学教員。