東大生の親の9割が実践 子どもの能力が伸びる接し方 (2/2ページ)

新刊JP

子どもはより上手に話すために、知識を総動員し、もっと親に伝わるように工夫をする。すると知識欲が高まり、学ぶことがおもしろくなっていく。結果勉強が好きになる。こうして自発的に能力を伸ばしていく子どもができていくのだ。

子どもを観察し、好きなことや得意なことを見つけてあげる。
「子どもの話をじっくり聞く」というのは、この子育て法を実現するための具体的取り組みの一つなのだ。

■「ほめる」ことの意外な効果

また、アンケート回答にあった「よくほめてもらった」もポイントである。
ほめられることで子どもがやる気を出し、自発的に勉強をしたり知識を吸収したり、あるいはスポーツであれば自ら練習に取り組むようになったりと、その効果は絶大だ。

ただ柳沢さんによると、「ほめる」という行為は、単に子どもの能力を伸ばすだけでなく、親の価値観を子どもに伝えるという点でもとても重要なのだという。

たとえば、親せきの集まりで自分から挨拶ができた時に「はずかしがらずに、一人一人ちゃんと挨拶できて偉かったね」とほめたら、子どもは「そうか、挨拶って大切なんだな。一人一人丁寧にするのがいいんだな」と学ぶことができる。

あるいは、目標に向かって努力したことを「優勝は逃したけど、あきらめずに努力したのが何より素晴らしいと思うよ」とほめれば、子どもは「結果より大切なものがあるんだ。努力することは無駄ではないんだ」と理解する。

「こうあってほしい」という親自身の思いと子どもの言動が一致したときにほめることで、子どもは親の思いを受け取ることができるのだ。

このほかにも、本書では柳沢さんが教育者としての長いキャリアから導き出した子育て論がたくさん解説されている。「子育てに正解はない」と言われるが、だからこそ悩んでしまうのが子育てというもの。

今まさに子育てをしている人も、これから子育てをする人も、本書から学べるものは多いはずだ。

(新刊JP編集部)

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