日本の豊かな海の恩恵は漂流のおかげ!?江戸時代のみかん商人・長右衛門の小笠原漂流記【完】 (5/5ページ)
ともあれこうした調査事業は、幕末期に日・米・英の間で起こった小笠原諸島と領有権争いに際して幕府=日本が小笠原諸島を実効支配していた事実の有力な根拠となり、小笠原諸島は無事に日本国の領土として国際的に承認されたのでした。
現代、小笠原諸島の存在によって確保されている排他的経済水域は日本全体でも大きなウェイトを占めており、この豊かな海の恩恵は、長右衛門たちの漂流事件がきっかけでもたらされたものと言えるでしょう。
【完】
※参考文献:田中弘之『幕末の小笠原―欧米の捕鯨船で栄えた緑の島』中公新書、1997年10月
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