1兆5000億円が泡と消えても巨大投資を辞めない孫正義氏の「自信の根拠」 (1/2ページ)

Asagei Biz

孫正義
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 10兆円もの巨大な「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を通じて、世界中でシェアオフィスを展開する「WeWork(ウィーワーク)」に1兆円を投じたもののこれが大コケで、追加で1兆円もの追加出費を余儀なくされたことで注目された中、行われた11月6日のソフトバンクGの第2四半期決算。発表の場では、孫正義会長兼社長自らが、

「今回の決算の発表内容はボロボロだ。真っ赤っかの大赤字。四半期でこれだけの大赤字を出したのは創業以来で、まさに台風、大嵐のような状況だ」

 というように惨憺たるものだった。

「正直に、半ば開き直って言うしかなかったんでしょう。売上高は前年同期と同じ約4兆6500億円だったものの、本業の儲けの営業利益が155億円の赤字。前年同期が1兆4200億円の黒字だったので、まるっと1兆5000億円近い利益が消えたのと同様ですからね」(経済ジャーナリスト)

 こうした結果は、予定されていたIPOを撤回せざるを得なくなった騒動以後ほぼ見えていたのだが、注目されるのは孫社長が新たに組成すると公言していたSVF第2号ファンドを作るかどうか。

 これに対し孫社長は、
 
「おおむね同程度の規模で、予定通りスタートする」

 と明言、強気の姿勢を崩さなかったのだ。

「SVFはファンド名に『ビジョン』と入っているように、今後のAI時代に先駆けて、今後伸びるであろうスタートアップ企業にしたたかに投資して後に巨大なリターンを得ようというファンド。簡単に言えば、当初は20億円の投資に過ぎなかった中国のアリババ集団が10兆円に化けた。そんな金の卵発掘プロジェクトのようなものです」(経済ジャーナリスト)

 投資には当然大きなリスクを伴い、今回はリスクをそのまま被った形だが、予定通り発掘プロジェクトは継続するという。この強気と度胸はどこから来るのだろうか。

 孫氏の強気な経営スタンスを垣間見るに好適なのが、『孫正義 危機克服の極意』という本だ。これは2011年に孫氏が後継者の発掘・育成のために開校した「ソフトバンク・アカデミア」で行った講義をまとめたもの。

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