もう巨人の時代ではない!? ソフトバンク日本シリーズ制覇で生まれた因縁バトル (4/4ページ)

日刊大衆

黄金期との違いは、そこに尽きます」(前同)

 球団創設以来の危機に、球団は最後の切り札として原に監督就任を要請。チーム編成まで司る“全権監督”となった原は、60億円ともいわれる大型補強を敢行し、チームを見事、優勝へと導いた。しかし、そんな巨人を冷静に見つめる人物がいた。誰あろう、長嶋茂雄その人だった。今年の日本シリーズ前、長嶋は巨人の現状を次のように分析し、関係者に語っていたという。「“大型補強をした”と言っても、成果があったのは丸だけ。今年は原がやりくりして、うまく選手を乗せて、なんとか勝った感じ。必ずしもパーフェクトな状態じゃない」

 実際、今回のシリーズで原監督は、経験の浅い若手選手たちを起用。ミスも目立ち、敗因の一つとされた。「選手層の薄さが如実に出てしまったね」(球界OB)

■王貞治と長嶋茂雄の闘いはまだ終わらない

 対照的なのが、王者・ソフトバンクだった。「柳田、デスパイネ、グラシアルのクリーンアップに、内川が8番にいる打線は、かなり脅威でしょう」(前同)

 長嶋監督が19年前に“予言”した通り、ソフトバンクと名を変えた福岡の球団は、圧倒的な選手層を誇る“常勝軍団”へと変貌していたのだ。「豊富な資金力を生かしてFAや外国人の有望選手を獲得するのはもちろん、設備を充実させ、選手育成にも力を入れている。今やソフトバンクは、球界トップの巨大戦力。もう、巨人の時代ではない」(スポーツジャーナリスト)

 キューバ出身のデスパイネが4番に座り、育成上がりの千賀がエース。さらには昨年ドラフト1位で入団した甲斐野が活躍しているのを見ても、いかにソフトバンクの補強戦略が成功しているのかが分かるだろう。「昭和の盟主が巨人だとしたら、平成の盟主はソフトバンク。今回の日本シリーズでは、王さんが長嶋さんから“球界の盟主”の座を奪い取ったと見ることもできる」(前同)

 19年ぶりの対決で見えた両球団の形勢逆転劇、そして覇権争いという新たな火種。歴史に残るライバルであるONのバトルは、次の令和のステージへと移り変わったというわけだ。ちなみに長嶋は、前出の巨人の現状を分析した発言に続けて、こんなことも語っていたという。「原は指揮官として最高。必ず的確な補強をして、強い巨人を作ってくれる」

 一方の王もまた、シリーズ中、仲のよい記者に対し、「巨人という球団は、ここ一番というときに強い。それが伝統の力なんですよ」と、かつての古巣への敬意を口にしていたという。

 巨人とソフトバンク、そして長嶋と王の闘いは、まだ終わらない――。(文中敬称略)

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