「臆病な人」に共通する5つの特徴
「失敗するのが怖い」 「わけもなく不安だ」 「嫌われないかな?」
こんなことを口ずさみ続けている貴女。
実をいうとですね、私にも、そんなことを言いたくなるときがあります。しかしながら、この「臆病者」という性格は向き合い方によってはプラスにもなるんですよ。
今回のテーマは「臆病者」です。
特徴とチェック方法、克服のコツについてご紹介します。
■臆病な人に共通する5つの特徴
まず臆病な人の特徴を考えましょう。どういった共通点が見られるのでしょう?
◇(1)思っていることを口に出せない
相手の気持ちを優先してしまうのですね。
例えば上司に対して、言いたいことがあるのに「まだまだ下っ端だから」とか、友達に対して「機嫌を損ねたらどうしよう」と考えてしまうわけです。
優しすぎて、本音をさらけ出すことを我慢してしまうわけです。
◇(2)人目を気にしすぎる
他人の目が恐いのです。
この「他人の目」は「周囲の評価」と言い換えることもできます。
あれこれ他人に判断されて良い気はしませんよね。それを気にしすぎるあまり、他人との関わりを持たないようになるのです。神経質ともいえるでしょう。
◇(3)感受性が豊か
まわりの考えていることを「感じすぎてしまう」のですね。
ある種の才能でもあります。
こうした人は、まわりの状況や、他人の感情に敏感です。それを我がことのように感じてしまうのです。他人が怒鳴られているだけでも、自分が怒られたように精神的ダメージを受けてしまう──いわば共感性。
そして刺激から身を守るように、臆病になってしまうのです。
◇(4)失敗を恐れている
これは「失敗」=「ダメなこと・怖いこと」と捉えているパターンです。
その結果、何かを始めるときに、少しでも失敗する可能性があれば、行動を起こさなくなってしまいます。いわゆる「やり抜く方法」でなく「やらない理由」を探すことばかり上手くなってしまうのです。
ときには「失敗は成功の母」という言葉を思い出すのも大事かもしれません。
◇(5)先のことを考えるのが上手い
イメージ力があり、頭の良い人に多いです。
先のことを考えるのが上手い人は、どうしても真っ先にリスクを考えてしまいます。ありありと失敗する姿をイメージできてしまうから。それが悪い方向に働いて、結果的に、臆病になってしまうのです。
しかし、この世はワリのいい勝負ばかりではありません。ときには思い切らないとチャレンジもできなくなります。
そして挑戦したことがない人は成長できない。成長できないから挑戦もできなくなる──という負のループだけは避けるべきだと思うのです。
■あなたはどっち? 臆病者診断
貴女が臆病なのかを診断するチェックリストを作りました。
4つ以上当てはまると「臆病な傾向あり」といえるでしょう。ぜひチェックしてください。
◇1.話をする前に内容を確認してしまう
相手に対する気づかいの具合が表れます。もちろん話を整理して、慎重に伝えようとするのは悪いことでありません。
◇2.他人のミスを注意できない
ミスを注意するのは悪いことではありません。
しかし「どう思われるか?」「反感を買うのでは?」と気にしてしまうわけですね。相手に「NO」を言えるかにも通じる心理です。
◇3.忘れ物をしていないか気になる
忘れ物をした場合のことを考えて不安になりがちです。
一度や二度確かめるくらいなら普通でしょう。同じことを何度もチェックするようだと臆病の気があるといえます。
◇4.自分から誘えない
嫌われることを恐れている証です。つい断られたときのことをイメージしてしまうのですね。
◇5.「どうせ」や「私なんて……」が口癖
気質は口癖にも表れます。臆病な気質は、ネガティブ発言や自虐を呼びよせます。
◇6.恋人や友達を束縛する
恋愛や友情にも表れます。
嫌われていないか不安なあまり、親しくなった相手を束縛してしまいます。離れられるのが怖いのですね。
◇7.ついお世辞を言ってしまう
相手に嫌われまいと、頻繁にお世辞を言ってしまうこともあります。臆病なりの処世術というわけです。
■臆病な性格になる原因
そもそも、どうして臆病な性格になってしまうのでしょう。
具体的には「小さいころに大きな失敗をした」「失敗すると怒鳴られる環境だった」「成功体験が少ない」といった、後天的な生育歴における理由が挙げられます。
とはいえ、これは良いニュースでもあります。後天的に性格が変わるのなら、これからも変えられるということですから──もはやチャンスです。
そして忘れてはいけないことがあります。
そもそも「臆病」というのは決して悪いことでない、ということです。これをわかっていれば、あなたの行動も大きく変わるはずです。少しずつ説明しますね。
臆病な自分を変えるには?
では、本題です。臆病な自分を変えるにはどうすればいいのでしょう?
◇(1)大きな声を出す
手軽な方法です。
いつもより1.2倍くらい声を大きくしましょう。案外、誰も気にしないもの──気にされたとしても悪いことではありません。
なんならカラオケで好きな曲を歌うのもいいでしょう。海まで行って、空に向かって「バカヤロー!」と叫んでもいいでしょう。
大きな声を出すことで殻を破るのですね。集中力が高まり、やる気がみなぎることでしょう。つい声を抑えがちな方に試してほしい方法です。
◇(2)やるしかない環境を作る
臆病な人は行動が苦手です。
最初の一歩を踏み出すには勇気が必要です。そんな場合は「そうするしかない状況」に身を置いてみるのもオススメです。ややスパルタですけれども。
思いきって、家や職場を変えるのも良いかもしれません。近所のジムに入会してしまうのだって面白いと思います。
◇(3)鏡の前で笑顔のトレーニング
鏡を見つめて、笑顔の練習をすること。
ポジティブな気持ちになれます。
人間は、視覚情報の影響を大きく受けます。笑顔の自分を見ると、心からポジティブになれるのです。ふだん周りからどう見られているか知ることで、人目を気にする性質も改善できます。
お洒落な服を着て、鏡に映ってください。
◇(4)紙やノートに、自分の長所を書き出す
よくいわれますが効果的な方法です。
臆病な人は、悪いことばかりに注目する癖があります。
それを長所も書きだすことで、自分とフェアに向き合おうというわけです。貴女には、たっぷり長所もあるんですよ──気づいてます?
◇(5)「自分は臆病だ」と自覚する
そもそも臆病なのは悪いことではありません。
それは「慎重」「ミスが少ない」ともいえるのですから。性格や気質は、受け取り方次第でもあります。たんに貴女は慎重に物事を達成できる人間──というだけなのではありませんか?
哲学者ニーチェは「真実というものはない。あるのは解釈だけだ」と言いました。
大事なのは、貴女が、自分をどのように解釈するかです。そして、解釈をした上でどんな行動をとるかです。
身近な友人に「私って臆病なとこあるよね」と話してみることからはじめましょう。
臆病は褒め言葉だ。どう向き合うかだけの話さ
正直、私だって、貴女だって、貴女が「いつも雑だなあ」と感じるあの人だって、誰しも臆病さを持っています。だからこそ生きていけるともいえるのです。
上にも書いたように臆病なのは悪いことではありません。
ねえ、臆病な貴女。
気づいていますか。貴女は、誰よりも繊細に考えることができて、誰よりも優しい心を持っているんですよ。あと必要なのは一歩を踏みだす勇気だけ──それが重たいのもよくわかっているんですけどね。
そんな貴女が踏みだせばこそ、きっと誰も行けないくらい素晴らしい場所へと、たどり着くことができますよ。
貴女のもとに幸せが舞いおりることを祈って降ります。
(浅田悠介)
※画像はイメージです