大相撲の外国人力士の中にはエクステやストパーをして髷を結っていた人もいた
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力士の髷、実は髪質によっては結いにくい!?
大相撲の力士は、現代でも地毛で髷を結っています。「禿げて髷が結えなくなったら、力士を引退しなければならない」という噂も時たま耳にしますが、実際にはそのような規定は存在しないことは、既に過去の記事でもお伝えしたとおり。
あの噂は本当なの?相撲の力士は髷(まげ)が結えなくなったら引退しなくてはいけない?でも同じように髷を結おうとしても、人にはそれぞれ髪質の違いがあります。中には髪の毛の量が元々少なかったり、反対に天然パーマでボリューミーすぎたりして、髷が結いにくい力士もいます。
ましてや外国人力士の場合は、日本人のように髷を結うことが難しいケースが少なくありません。
そんな髷の結いにくい髪質の力士たちは、少しでも髷を結いやすくするためのに「髪の毛への工夫」をすることがあるのですよ!
兄弟子の髪の毛でエクステをした把瑠都エストニア出身の元大関・把瑠都(ばると)は、スウェーデン系ということもあり髪はブロンド、しかも髪の毛自体が細くて切れやすい上に伸びが遅い、髷を結うのが難しい髪質でした。
さらに出世が早かったこともあって、初土俵から2年で幕内に上がっても大銀杏を結うことができず、ちょんまげ姿で土俵に上がっていました。
そんな彼が大銀杏を結うために使ったのは、なんと当時の兄弟子の髪の毛を使った「人毛エクステ」。実は、髪質や髪の量が少ないなどの理由で地毛で髷を結うことが難しい力士の場合、「付け毛」を使うことが可能なのです。
ちなみに日本相撲協会の規定では、髪の色についての決まりは特にありません。
しかし協会の上層部からは、当時
「相撲界の伝統を重んじるなら、黒く染めたほうが良いのでは」
という声も上がっていたのだとか。
そんな事情もあり、把瑠都はその後、黒い色をつけた鬢付け油を使って髷を結うようになりました。だから本場所で見る大関・把瑠都の髪は、ブロンドというよりは暗い茶色のような色の大銀杏だったのです。
縮れた髪にストレートパーマをかけてきれいな大銀杏を結ったさて、髪質が原因で髷が結いにくいといえば、くせ毛や天然パーマの力士も同じです。
元大関・小錦や元横綱・曙など、恵まれた体格と圧倒的なパワーで大活躍したハワイ出身力士たちを悩ませたのが、くせの強い髪質でした。
小錦と同じ高砂部屋所属で、床山の最高位である特等床山まで昇りつめ「伝説の床山」とまで呼ばれた床寿(とこじゅ)さんの技術でも、小錦の大銀杏はなかなかきれいに結えませんでした。
そんなとき、元美容師だった床寿さんの奥さんのアイディアで取り入れられたのが、ストレートパーマでした。
ストレートパーマの効果は抜群でした。だから、私たちの知る本場所での小錦の髪型は、いつもきれいな大銀杏になっていたのです。
小錦より後に入門した元横綱・曙や武蔵丸も、現役力士時代はストレートパーマをかけ、髷を結いやすくしていたのだそうですよ。
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