目力ハンパなさそう!「日本書紀」に登場する豪族・物部目の武勇伝を紹介【上】 (3/3ページ)
「我が矢を受ける勇気はあるか(朝日郎手、誰人可中也)!」
次々と官軍を射止める朝日郎と、その武勇に沸き立つ賊軍(イメージ)。
百発百中の腕前で次々に官軍の兵士を射殺し、鎧を二枚重ねに着込んだ者まで仕留められると、菟代は慌てて全軍に後退を命じます。
「……うぅむ、朝日郎の弓勢(※5)を前にすると、皆が怯んでしまう……さて、どうしたらよいものか……」
菟代は考え込んだまま戦闘は中断、そのまま日が暮れてしまいました。果たして物部目たちは、朝日郎を倒すことが出来るのでしょうか。
(※3)ゆうりゃくてんのう。第21代天皇陛下。在位西暦457年~479年
(※4)しこのみたて。尊く美しい者(天皇陛下)の守護役を意味する謙譲語。
(※5)ゆんぜい。弓を引いて矢を射る力の強さ。弓の威力。
【続く】
※参考文献:
福永武彦 訳『現代語訳 日本書紀』河出文庫、2005年10月5日
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