女性の罪は美しさだけじゃない?平安時代の天才歌人・紫式部と清少納言それぞれの悩み (3/4ページ)

Japaaan

文久三1863年

その代表作とも言える随筆『枕草子(まくらのそうし)』に綴られているように、彼女は「あれが好き、これは嫌い」など、竹を割ったようにハッキリとした性格で、男性陣とも対等に渡り合う(※)勝気なエピソードが各所に残されています。

※紫式部の亡父・藤原宣孝や従兄弟の藤原信経(ふじわらの のぶつね)を論破するなど、当時の男性優位な社会観においては、非常識な振る舞いとされていました。

「誰が何を言おうと、構うものですか。バカの負け惜しみなんて、聞き流してあげましょう」

そんな性格が多くのヘイトを集めたようで、かの紫式部も『紫式部日記』で清少納言をボロッカスに批判したのは有名ですね。

「清少納言なんて、インテリ気取りで漢字を書き散らしているくせに、誤字脱字が多くて読めたもんじゃない……あんな自己アピールはみっともないし、ロクな結末を迎えないものよ」

【原文】清少納言こそ したり顔にいみじうはべりける人 さばかりさかしだち 真名書き散らしてはべるほども よく見れば まだいと足らぬこと多かり かく 人に異ならむと思ひ好める人は かならず見劣りし……(中略)……そのあだになりぬる人の果て いかでかはよくはべらむ……。

※『紫式部日記』より。

「日本紀の御局」がどの口で言うのか、と思わないでもありませんが、もしかしたら「私の方が賢いもん!(……まぁ、奥ゆかしい私はそんなこと言わないけれど)」というライバル心だけでなく、「あんな自由奔放に振る舞えたら人生楽しそうだなぁ……」という羨望もあったのかも知れませんね。

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