生命の自己複製能力を模倣した人工ゲノムの開発に成功(ドイツ研究) (2/3ページ)
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・特定のDNAセグメントに着脱可能な人工ゲノムの完成
こうして作られた最大11個の環状DNAから人工ゲノムが完成した。これはモジュール構造をしており、特定のDNAセグメントに簡単に着脱することができる。
今回の研究で作られた最大のモジュール型人工ゲノムは、11万6000対でできており、ごく単純な細胞のゲノムの長さに匹敵するという。
人工ゲノムには、ポリメラーゼ以外にも、大腸菌に由来する30の「翻訳因子」をはじめとするほかのタンパク質の設計図も含まれている。
翻訳因子は、DNAという設計図をそれぞれのタンパク質に翻訳するプロセスにおいて重要な役割を担っており、生化学的プロセスを模倣する自己複製系には不可欠なものだ。
研究グループが、質量分析によって作られたタンパク質の量を測定したところ、反応後では翻訳因子の量が増えていることが判明。こうして今回のインビトロ発現系はDNA複製だけでなく、翻訳因子も作れることが証明された。
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・複雑な生命を作り出すプラットフォームとして
こうした成果について、生物学的プロセスを模倣する連続的な自己複製系の作成へ向けた重要なステップであると、研究グループは話す。
今後は、DNAセグメントを追加して人工ゲノムをさらに拡張したり、栄養を与え、廃棄物を排泄することでいつまでも維持される系を作りたいとのことだ。