生命の自己複製能力を模倣した人工ゲノムの開発に成功(ドイツ研究) (1/3ページ)

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生命の自己複製能力を模倣した人工ゲノムの開発に成功(ドイツ研究)
生命の自己複製能力を模倣した人工ゲノムの開発に成功(ドイツ研究)

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 あらゆる生命に共通するもっとも基本的な特徴の1つは、自己を別個の存在として複製し、保存する能力だ。

 こうした生命のプロセスを観察し、さらにその再現を試みるのが合成生物学という分野だ。この分野を専門とする研究者たちは、生きているわけではない構成要素から、生命を模倣する系を作り出す――つまりボトムアップのアプローチを探求している。

 生命ならではの能力を持つ系を人工的なボトムアップアプローチで作り出すことは、非常に困難な挑戦である。しかし、ドイツ、マックス・プランク生化学研究所の研究グループによって、ついに史上初めてその作成に成功したそうだ。

 それはインビトロ(試験管内)で再現された、ゲノムの複製とタンパク質の合成プロセスだ。生物学的系の自己保存と複製の基礎の部分である。
・インビトロ発現系の最適化

 このプロセスを再現するためには、”設計図”と分子の”機械”を用意する必要があった。
 
 生物学の用語で言うなら、設計図は、タンパク質を作り出す情報を持つDNAのことだ。そのタンパク質は、触媒として作用し、生物内での生化学的反応を加速することから、しばしば分子機械と呼ばれる。

 もう少し説明すると、研究グループが行ったのは、DNAの設計図に基づいてタンパク質を合成する系――インビトロ発現系の最適化だ。

 いくつか工夫をこらした結果として、インビトロ発現系は「DNAポリメラーゼ」というタンパク質を非常に効率的に合成できるようになった。

 すると、このDNAポリメラーゼがヌクレオチド(DNAを構成する基本的な単位)を使ってDNAを複製する。
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