絶体絶命!賊徒に襲撃された清少納言が裸体をさらけ出し…どうなった?【後編】 (1/4ページ)
前回のあらすじ 絶体絶命!賊徒に襲撃された清少納言が裸体をさらけ出し…どうなった?【前編】
平安文学を代表する女流歌人・清少納言(せい しょうなごん。この当時50歳前後)は、兄・清原致信(きよはらの むねのぶ)の屋敷に滞在していました。
その時、折悪しく屋敷を賊徒が襲撃。決死の大立ち回りも虚しく、致信が殺されてしまいます。下手人の首魁は、かねて致信らと抗争を繰り広げていた源頼親(みなもとの よりちか)ら約30名。
「……まだ誰か残っておるかも知れぬ!探せ!」
屋敷じゅうをドカドカと蹂躙する賊徒らの足音は、ついに清少納言の寝室まで迫って来たのでした。
女性(尼)と言っても信じて貰えず……「おい、坊主がおるぞ!」
格子にかけた閂(かんぬき)をぶち破って寝室に踏み込んだ賊徒は、恐れ悸(わなな)く袈裟姿の清少納言を見て、男性僧だと認識したようです。
「……尼にございます!わたくしは尼にございまする!」
自分が女性であると告げれば、よもや賊とて命までは奪うまい……そう咄嗟に判断した清少納言の必死な抵抗でしたが、賊徒は聞き入れる様子がありません。
「偽りを申すな、この売僧(まいす。僧侶に対する蔑称)めが!」
「ひぃ……っ!」
容赦なく斬りつけられて、清少納言は必死になって老体をかわします。