レゴブロックは最大で1300年、海中で形を変えず残存することが判明(イギリス研究)

カラパイア

レゴブロックは最大で1300年、海中で形を変えず残存することが判明(イギリス研究)
レゴブロックは最大で1300年、海中で形を変えず残存することが判明(イギリス研究)

ta98mori/pixabay

 歴史上、子供に最も人気のあるおもちゃの1つといえば、レゴ(LEGO)を挙げる人も多いのではないだろうか。

 実は、世界中で人気のこのプラスチック製のおもちゃは、子供たちの思い出をはるかに超えて長い間残り続けるようだ。

 海中にあったレゴをイギリスの研究者らが調査したところ、最大1300年も形を変えず地球環境に残存することが判明したという。
・研究チーム、30年前のレゴのパーツを調査

 1949年にデンマークのレゴ(LEGO)社が生産を開始して以来、約4440億個のパーツが製造されたと推測されている。

lego-1124009_640_e
Clovis_Cheminot/pixabay

 そのレゴ社のパーツが入ったコンテナが、30年ほど前に海に沈み、何百万という小さなパーツが海中に散乱するというアクシデントが発生した。

 通常、パーツは海水よりも密度が高いため海に沈むが、海藻に引っかかったり強い陸上風や大波に流されたりすると、浜辺に打ち上げられることもあるという。

 そうして、時をかけてイングランド南西部のビーチに流れついた小さなレゴのピースを調査したのが、プリマス大学の研究者たちだ。

 彼らは、地元組織により集められたレゴが海洋環境でどのぐらい残存するのかを調べるために、アクリロニトリルブタジェンスチレン(ABS)と呼ばれる樹脂から作られた50個のレゴの劣化の度合いを分析した。


・変色や重量の損失はあるが最大1300年残存する可能性

 ビーチから集められたレゴの各パーツは、特徴のはっきりしている凸部と凹部、そして多くの場合は部品内にあるデザイン番号を用いて分類された。

lego-708088_640_e
Efraimstochter/pixabay

 ジャーナル誌『via%3Dihub" target="_blank" title=""Environmental Pollution』によると、海洋中のプラスチックは長時間持続するものの、自然の力によって光酸化による劣化や物理的ストレスを受け、変色や重量の損失を生じるということだ。


 研究チームは各レゴのパーツを洗浄して重さを測り、劣化していないパーツと比較した他、蛍光X線(XRF)分光計を使用して化学成分に基づき、そのパーツがいつ製造されたのかを推定した。

 その結果、個々のレゴブロックは100~1300年にわたって地球環境に残存する可能性があることがわかったのだ。

lego-1044891_640_e
eak_kkk/pixabay

・レゴのパーツはマイクロプラスチックに分解する可能性も

 古いレゴのパーツは、そのほとんどのピースが形を変えずに残っていたものの、見た目は色あせて脆く、そしてやや軽くなっており、一部破砕や凸部の摩耗が明らかになっていたという。

 つまり研究者たちは、一部の構造が破損および断片化していたということは、レゴのピースがそのまま残存するだけでなく、マイクロプラスチックに分解する可能性があることを示唆しているのだ。

 今回の研究を行ったプリマス大学環境科学準教授のアンドリュー・ターナー博士は、声明文で次のように述べている。

プラスチックは比較的新しい物質のため、環境に与える長期的な影響や、海中でどれぐらいの期間残存するのかということを見極めるのは困難です。

しかし、海で発見されたレゴのピースは、平均40年経っているものであると推測されました。

環境に潜在的な問題を引き起こさないようにするためには、使用しなくなったレゴを適切な方法で廃棄することが重要です。

lego-708086_640_e
Efraimstochter/pixabay

 レゴの魅力のひとつとして、常にその耐久性が挙げられていることから、何十年にもわたり海に潜んでいる可能性があったにも関わらず、たいして摩耗していないことは特に驚くべきことではないが、その耐久性の完全性がこれほどだったことには、さすがに研究者たちも驚いたようだ。

References:Iflscienceなど / written by Scarlet / edited by parumo
「レゴブロックは最大で1300年、海中で形を変えず残存することが判明(イギリス研究)」のページです。デイリーニュースオンラインは、ネットなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る