内藤剛志『捜査一課長』ベタなテレ朝ドラマが、今こそ必要なワケ (2/2ページ)

日刊大衆

『捜査一課長』シリーズはそこからわざと逆に泳ぐことを選んだ、“メダカ流”の刑事ドラマなのだ。

 吹き出してしまうようなニックネーム呼びの採用。また、金田明夫(65)演じる見つけのヤマさんが捜査の重要なカギとなる捜索物をさっさと見つけるなど、プロセスをアッサリはしょるのも、すがすがしい。面倒な指令が出たら、陽月華(39)演じるドMの捜査一課管理官・板木望子が恍惚の表情を浮かべ、展開をポジティブに変えてくれる。上司を演じる本田博太郎(69)がユーモラスで全面的な味方なのもいい。

 内藤剛志(64)演じる捜査一課長の大岩は主役であり、同時にこのドラマの「型」そのもの。捜査会議の「必ず、ホシをあげる!」のひと言で、捜査員だけでなく、視聴者までも一体化してくれるのである。今はどんな過激な展開のドラマも、現実の新型コロナウイルスという恐怖に負ける。社会的な問題や、暗い事件と向き合うドラマは、それがいかに良質な内容でも、今の見る側にそれを楽しみ考える余裕があるとはいえない。

■今は安心感がなにより必要

 なんでもないような日常が幸せだったと痛感するこのご時世、『警視庁・捜査一課長2020』における、美しいパターンの組み合わせに、最高に心癒される。同じ方向に、しかも明るく向いているキャスト。そして思った通りの反応と展開が帰ってくる安心感。これに「いつか解決する日が来る」と前を向く力をもらえるのだ。

 現在、さまざまなドラマの撮影が中止になっており、次々と放送が延期されている。『警視庁・捜査一課長2020』も、今後、どんな流れになるか分からないが、再放送やスペシャルを織り交ぜ、ホシをあげる展開を見続けたい。(駿河ミチコ)

「内藤剛志『捜査一課長』ベタなテレ朝ドラマが、今こそ必要なワケ」のページです。デイリーニュースオンラインは、警視庁・捜査一課長内藤剛志テレビ朝日相棒ドクターXエンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る