債務を資本に交換するDESで懸念されるリスクをヘッジする擬似DESとは? (1/2ページ)

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債務を資本に交換するDESで懸念されるリスクをヘッジする擬似DESとは?

債務超過の法人の財務状況を健全化させる方法として、DESという手法があります。DESとはdebt equity swap の略で、直訳すると債務と資本の交換ということになります。具体的に申し上げると、返済義務のある借金を返済義務のない資本に振替えることを意味します。結果として、自己資本比率が上昇し、会社の財務状況が改善されることになります。

■DESの課税関係

このDESですが、法人税においては、原則として現物出資として取り扱われます。会社の債務は見方を変えれば、会社の債権者からすれば会社に対する金銭債権を持っていることになります。加えて、会社の資本は見方を変えれば、その資本を持つことになるのは株主ですので、株主が会社の出資を有していることになります。

この点を踏まえ、法人税においては、会社の債権者が金銭債権を会社に現物出資して株式を持つ、という取扱いになっているのです。

現物出資の法人税において問題になるのは、出資した財産の時価です。例えば、100で買った土地を時価が150の時に出資した場合、出資者は土地を時価である150で売ったとして、差額の50について譲渡所得税などが課税されます。

一方で、現物出資を受ける法人は、その土地を150で評価します。


■債権を出資すると免除益?

DESの場合、債務超過会社に債権を出資することが多い訳ですが、こうなると100で貸したお金が100で評価されるとは限りません。というのも、債務超過なので100全額が返ってくるとは言えないからです。となると、20くらいしか返ってこないので、時価は20と評価される可能性があります。

こうなると、DESをされた会社は100の借金が20の資本となるのですが、差額の80は、返すべき借金が免除されたとして、免除益を計上しなければなりません。この免除益は法人税の対象になります。

■問題解決は

こういう事情がありますので、DESは非常に税務リスクが高い訳ですが、そのリスクをヘッジする方法として、擬似DESと言われる手法があります。これは、債権者が借金ではなく、いったん現金を会社に出資して、その現金で会社が借金を返すという手法です。

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