義理としがらみで命を落とした戦国武将を祀る博多の吉塚地蔵を調べてみた (5/6ページ)

心に残る家族葬

「潔さ」と「ずるさ」はいずれも、人が生きるにあたっては、時に必要な身の処し方でもあるからだ。

ただそこで、自分ならどうするのか。「命」の際まで追い詰められ、究極の選択をしなくてはならなくなったとき、星野吉實・吉兼のように死を厭わず、義理を守り抜いて生きるのか。それとも、島津方にいたにもかかわらず、天下の秀吉方に寝返ろうとしたり、敵前逃亡してしまったりした他の武将たち、または星野兄弟の敵方・立花統虎のように、時宜を敏感に捉えて、ヒラリと身をかわすのか。

■最後に

東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都道府県に対して発令された、新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言に多くの人々が憂い戸惑っているが、人それぞれの人生における「緊急事態」は、これだけとは限らない。今後、将来において、人によっては「新型コロナウィルス感染」よりも重要・深刻な状況に置かれる場合も往々にしてある。そうしたときに、自分なら、どうするのか。「自分のことだけで精一杯!」なのか。それとも、義理を重んじ、たとえ不本意でも、自分以外の人のために行動するのか。吉塚地蔵堂ゆかりの戦国武将、星野吉實・吉兼兄弟の死は、現代を生きる我々の人生航路の舵取りに対しても、厳しく問いかけている。

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