プロ野球・歴史を変えた「伝説の一打」の舞台裏 (1/3ページ)

日刊大衆

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 長い球史の中で生まれた劇的な名場面。伝説を作った一打の知られざる舞台裏を、解き明かしていこう。

1.王貞治「756号ホームラン世界新記録」

 1977年、当時、ハンク・アーロンが持つ755号のホームラン世界記録に巨人の王が迫り、日本中が浮き足立っていた。8月31日の大洋戦で世界タイ記録となる755号を打ち、迎えた9月3日のヤクルト戦。

「相手は右腕の鈴木康二朗投手でした。第2打席、6球目を王がバットを一閃すると、ライナーでライトスタンドへ。鈴木は試合後、“外角を狙ったシュートが内角のベルトの高さに入ってしまった”とこぼした。その失投を見逃さなかった王は、さすがです」(スポーツ紙ベテランデスク)

 756本目のホームランを放った王は、打球がスタンドに吸い込まれるのを見届けると、両手を上げ、笑顔で一塁へと走り出した。

「実は、この日の試合前、王の母親・登美さんが差し入れを持ってきていた。りんごと鈴虫で、りんごは選手たちへ、鈴虫は王への贈り物でした」(前同)

 王の述懐によれば、「リーン、リーンと鳴く鈴虫の音色を聴いているうちに、不思議とスタンドのざわめきが聞こえなくなり、清々しい気持ちでグラウンドに出ることができた」という。

 インタビュールームでの王の第一声は「なんか、ヤクルトの鈴木くんには申し訳ないような気がします」。常に相手を気遣う男らしい、謙虚なコメントだった。

2.長嶋茂雄「天覧試合サヨナラホームラン」

 59年6月25日に後楽園球場で開催された巨人対阪神戦は、天皇陛下ご臨席によるプロ野球初の天覧試合だった。

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