過去を消した女たち 第10回 マナミ(42) 若い頃に風俗嬢だったことで開けた彼女の現在 (1/2ページ)

週刊実話

「学費を稼ぐためにヘルスで働いていたのは20歳の頃でした。両親が離婚して、父親と暮らしていたんですけど、経済的に頼ることができず、仕方なく働きはじめたんです」

 42歳になるマナミは、人もまばらな喫茶店で、はきはきとした口調で話してくれた。小柄でショートヘアの彼女は、今は介護の現場で働いている。

「人手が足りないので、きつい仕事ですけど、私にとってやっとやりがいのある仕事を見つけたという感じですね。落ち着いた生活を送っています」

 マナミは週に5日ほど介護士として働き、これまでの人生では得られなかった充実した日々を送っているようだった。とはいえ、風俗で働く以前の彼女の人生は、どこにでもある極めて平凡な日々だったという。

「父親は都内近郊で、小さな運送会社を経営していました。仕事は順調で、子どもの頃はおもちゃでも何でも買ってくれました。何不自由ない生活が一変したのは、高校生の時です。理由は詳しく聞いてないですけど、会社が倒産し、それまで暮らしていた家を出ることになり、両親は離婚したんです。母親とは折り合いが悪かったので、私は父親と一緒にアパートで暮らすことになりました」

 高校卒業後、マナミはデザイン関連の専門学校へ通った。

「ウェブデザイナーになりたいという希望があったんです。父親はその頃、タクシーの運転手をはじめたんですけど、私の学費を払えるほど稼げてはいなかったので、稼げるアルバイトを探して、行き着いたのが風俗の仕事でした。水商売で働くことも考えたんですけど、いちいち接客とかするのが面倒くさくて、それなら風俗にしようと思ったんです」

 それにしても思い切った決断をしたマナミだが、その背景には学業を続けたいという強い思いがあった。
「奨学金という選択肢もあったのかもしれませんけど、借金をするのは嫌でした。当時の私が学費になるだけのお金を稼ぐには、風俗しかなかったんです」

 マナミが選んだのは、店舗型のヘルスだった。

「男性経験はありましたけど、片手で余るほどしかセックスをしたことがありませんでした。ヘルスだったので、本番をするわけではないですし、それほど抵抗はありませんでした。

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