あの伝説のキックボクサーが、落語家の弟子になっていた!?(後編) (1/5ページ)

日刊大衆

夢枕獏紫綬褒章受章感謝祭「スック・ワン・バク」では師匠と揃い踏みで噺を披露した
夢枕獏紫綬褒章受章感謝祭「スック・ワン・バク」では師匠と揃い踏みで噺を披露した

バナー題字・イラスト/寺田克也

「がんばれ!格闘技」発起人の夢枕獏さんの旅仲間でもある落語家の林家彦いち師匠が、扇子をペンに持ち替えての登場です。かつて「野良犬」と呼ばれた伝説のキックボクサーが突如として、彦いち師匠に弟子入りを直談判。電撃的な弟子入りから、おおよそ10年。小林聡の現在はいかに。※前編はこちらから

 

 落語の楽しみを知った元キックボクサー小林聡改メ「小林家さとし」は次々と噺の数を増やしている。なんたって落語10年選手。

 とにかく汗を流すことを厭わないのは格闘技を経験したことはかなり大きいはず。
格闘家はリングやオクタンゴンに入り、闘いが終わりソコから下りる時には気持ちは同じではない……はず。時にはとりまく環境が変わることだってある。

 我々噺家だって、扇子と手拭いのみで高座に向かい座布団へ座り、噺をお客様に語る仕事。高座を終え下りる時に別の心持ちになっていることも少なくない。
家で1人で壁に向かってやってたらただの独り言なのだが、お客様に前にさらされ出された時に絶妙な技術、間が生まれてきた。

 格闘技。身ひとつで鍛えられた肉体、五感全てがぶつかり合う。美しい。
僕はスポーツでここまで熱くなるのは格闘技しかない。

 さて、そこを経由した小林家は、野良犬と呼ばれていることも知っていたので、古典落語「元犬」を稽古してみた。犬が人間に生まれ変わって次々と珍事が起きる噺。

 聞くと、ビションフリーゼを飼育してる。野良犬と言われる男は、膝の上であのフワフワの毛を撫でているらしい。

 しかし犬を演じている彼はまさに野良犬だった。元犬というより「元人間」のよう。

 そういえば、落語を始めた頃稽古が終わり、ふと雑談をした時、元プロサッカー選手の中田英寿さんの話になった。

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