ビートたけしの名言集「生きてる理由なんてよくわかんねーな」 (1/2ページ)
次の言葉は、13年程前、殿とタップダンスの稽古をしたあとの酒席の場で「殿、この世界に入ったからには、一度でいいから売れまくって、お金をバカみたいに稼いだり、女の子に死ぬほどモテてみたいです」と、恐ろしく頭の悪いわたくしの願望に対する、殿からのアンサーです。
「どんなに金を稼いだって、どんなにいい女とセックスしたって、人間は必ず死ぬんだから、そう考えると、生きてる理由なんてよくわかんねーな」
殿は、こちらがそういった言葉を持ち出さなくても時おり、思い出したように「生と死」について語ることがよくあります。2カ月程前も、
「いまだに人間が生きてる理由ってのがよくわからねーんだよな。どんなにかっこいいこと言ったって、ただ息してクソして死んでくだけじゃねーか」
と、大変哲学的な問答を、周りの誰に問うでもなく、自分自身に言い聞かせるように漏らしていました。
ちなみに北野映画を論じる時、映画評論家やライターの方たちの多くが 「北野映画は常に死を強く意識させられる」的な物言いをされています。ある映画評論家の方が、かなりの熱量を持って北野映画について、やはり「死」を基本ベースに論じたことがあったのですが、そのことを殿に伝えると、
「難しいことはどうでもいいから、客が映画を観たくなるようなやつ書いてくれよ。だけど今、映画の評論なんて熱心に読んでるヤツいるのか?」
と、身も蓋もない感想を漏らしていました。
話を殿の「生と死」発言に戻します。
「だけど、いまだに死ぬってことが悪いことなのか、よくわかんねーよな。だって、死んだらどうなるかなんて実際、誰もわかんねーんだから」
少し前、楽屋での雑談の中で、わりと唐突に殿が吐き出した言葉です。