住宅ローンの借換えや持分割合の変更での注意点を税理士が解説 (1/2ページ)

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住宅ローンの借換えや持分割合の変更での注意点を税理士が解説

住宅の購入に際し、ローンを組むことは多いですが、実務上ローンは夫婦や親子で連帯債務とすることも多いです。連帯債務でローンを組んだ場合、注意したいのはローンの借換えに際し、連帯債務から単独債務にする場合です。この場合、場合によっては贈与税のリスクがあります。

■みなし贈与の対象

金銭や不動産の贈与を受けた場合、受贈者に対して贈与税が課税されます。注意したいのは、目に見える財産だけではなく、目に見えない経済的利益を、無償で受けた場合についても贈与税の対象になるということです(みなし贈与)。この無償で経済的利益を受けた、ことの典型例の一つに、個人間の債務免除があります。債務免除を受ければ、その分負担がなくなりますので経済的利益を受けたことになる訳で、原則として贈与税の対象になります。

この債務免除の範囲に、上記のように、連帯債務が単独債務になった場合も原則として含まれます。例えば、夫と妻で1/2ずつ債務を負っていた場合、それが夫の単独債務となれば、妻が負担していた1/2の債務はなくなりますので、債務免除と同等と考えられます。

■妻からも返済を受けるようにする

このようなことにならないよう、上記の場合には、対銀行では単独ローンの契約に変更したとしても、単独債務者となった夫と妻との間で、妻にも従来同様に負担を求めるようにする、といった対応が必要になります。具体的には、夫と妻で毎月10万円返済していた連帯債務について、夫が単独債務者になった場合には、夫が銀行に毎月10万円返済するにしても、妻が負担するべき5万円について、妻から同時に夫が返済を受けるようにすることが重要になります。こうすれば、妻は経済的利益を受けたことにはなりませんので、原則として贈与税の対象にはならないと考えられます。

■住宅の持分を変える場合も注意

その他、連帯債務を組んで住宅を購入する場合、負担する債務の割合に応じて住宅の持分も分けることが通例です。このようなケースについて、単独債務にしたことに伴い住宅の持分も単独にすれば、持分がなくなった方は借金の金額で住宅を売ったことと同視できますので、原則として譲渡所得税の対象になりますので注意が必要です。

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