ビートたけしの名言集「弟子を食事会に誘う実にスマートな所作」 (1/2ページ)

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ビートたけしの名言集「弟子を食事会に誘う実にスマートな所作」

 以前、当連載で〈殿は弟子や下の者を食事に誘うのが抜群にうまい〉と書いたことがありました。

 ちなみに「うまい誘い方」とは、具体的に言えば、本来、師匠と弟子の関係であれば「おい、飯行くぞ」で済むところを、殿は末端の弟子のわたくしに対しても、

「お前、来週の水曜あたり空いてる?」

「前日に連絡すれば大丈夫か?」

 といった具合に、実にフランクにお誘いをかけてくれるのです。

 そんなお誘いを受けるたびに強く思うのは、〈いやいや、どんなことがあったって行きますから!〉と。

 で、誘い方がスマートな殿は、食事会の後日も大変“うまい”のです。

 説明します。以前、殿に“きっとこの先の人生で、自分で行くことなど絶対にないな”といった、大変高級でやたらおいしいフレンチレストランに連れて行っていただいた2日後、楽屋で殿にお会いし、

「殿、先日はとんでもなくおいしいお食事、ありがとうございました」

 と、お礼を述べると、

「おう、あそこの店、結構いけるよな? なんかよ、あそこで飲むとワインがやたらうまく感じるんだよ。よし、またチャンスがあったら行ってみっか」

 と、弟子をこのうえなく気持ちよくさせるのです。

 フランクにお誘いを頂く。そんな食事会は毎回、夢のように楽しい。そして後日“また行こうぜ!”的な言葉を頂く。そりゃ~、殿にメロメロになります。

 で、そんな殿にひと頃よく連れていってもらった、青山にある大変値の張る韓国料理屋があったのですが、ある日、いつものように殿からのお誘いがあり、5人程にてそこの店で舌鼓を打ちながら、掘りごたつ式で座る個室にてマッコリを飲んでいると、隣の個室から「う~!」だの「あ~!」だのと、高級店にはそぐわない、かなり大きなうめき声が漏れ聞こえてきたのです。

 そして、しばらくすると今度は「どいつもこいつも、許してたまるか! あ~、やってやるよ~!」だの「もういいんだ! 俺は決めたんだ。あ~、ちくしょう~! もうほっといてくれ~」等々、かなり支離滅裂で意味不明な叫び声に変わり、それが10分程続いたのち、パタッとやみ、静かになったのです。

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