平安貴族の万能フレーズ!「あはれ」と「をかし」それぞれの特徴と使い方の違い (2/3ページ)
そこで今回は、平安貴族の万能フレーズ「あはれ」と「をかし」の違いを紹介したいと思います。
ウェットな「あはれ」と、ドライな「をかし」まず、古語辞典で「あはれ」と「をかし」の特徴を比べてみましょう(※似通ったニュアンスはある程度まとめています)。
【あはれ】
1、しみじみと心動かされる。
2、可愛い、愛しい。
3、かわいそう、気の毒。
4、悲しい、寂しい。
5、情が深く、細やか。
6、尊い、すぐれている(賞賛)……などなど。
【をかし】
1、滑稽、可笑しい。
2、興味深い。
3、趣がある。
4、すぐれている。
5、かわいらしい。
6、変だ、異様だ……などなど。
こうして見ると、「あはれ」は「をかし」に比べてウェットと言いますか、対象に感情移入して、感動の主体になっている印象を受けます。
一方で「をかし」はその言葉が指している対象から一歩引いて、冷静に観察している表現のようです。
叶わぬ恋と知りながら、彼女に一目ぼれしてしまった「あはれ」な貴公子(イメージ)。
今まさに感動しているのが「あはれ」で、感動的であると評価しているのが「をかし」。