死人に口なし!?平安時代にもあった悪質な架空請求事件に痛感する世の不条理 (1/4ページ)

Japaaan

死人に口なし!?平安時代にもあった悪質な架空請求事件に痛感する世の不条理

古来「死人に口なし」とはよく言ったもので、故人が反論できないのをいいことに、遺族に好き放題な要求を突きつける輩は後を絶ちません。

そんな手口は昔から横行していたようで、今回は平安時代の古文書から、実際にあった架空請求事件を紹介したいと思います。

「証拠はないけど、とにかく返せ!」理不尽きわまる要求に……

時は長徳3年(997年)5月20日、内蔵貴子(くらの たかこ)という女性が検非違使庁(けびいしちょう。警察機関)に一通の告発状を提出しました。

それによると、彼女の夫である物部茂興(もののべの しげおき)が亡くなった際、丹後掾(たんごのじょう。国司の補佐官)である秦兼信(はたの かねのぶ)が彼女の実家に押しかけ、老母と弟の覚珍(かくちん。僧侶)に法外な要求を突きつけたといいます。

兼信は2.5石もの米を貸したというが……。

「わしは数年前、茂興に2石5斗(2.5石)の米を貸したのじゃ。本人が死んだ以上、その遺族であるお前らに、利息を含めた25石を返してもらおうじゃねぇか!」

兼信の要求を聞いて、二人はたいそう驚きました。茂興がそんな借財をしていたなんて話は聞いていなかったからです。

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