江戸時代に大ブーム!徳川家康にゆかりがある縁起物の植物「万年青(おもと)」の歴史と魅力

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江戸時代に大ブーム!徳川家康にゆかりがある縁起物の植物「万年青(おもと)」の歴史と魅力

みなさんは、「万年青(おもと)」という言葉を聞いたことがありますか?

スズラン科の植物で、古くから縁起物として大切にされてきました。そして、万年青(おもと)は徳川家康にもゆかりがあるんです。

今回は、そんな万年青(おもと)の歴史や魅力をご紹介します。

万年青(おもと)とは?

万年青とは、日本に自生するスズラン科の多年草で、一年を通して豊かな美しい緑色を保つことから、「枯れない=繁栄」と位置づけられ、古くより縁起物とされてきました。万年青(おもと)は日本の宮城県以南や朝鮮半島南部、中国、台湾などにも分布しています。

ちなみに、万年青(おもと)という名前の由来は2つあるとされ、1つは中国の「烏木毒(wo-mu-tu)」と呼ばれる漢方薬が語源であるというもの、そして2つめは大分県の宇佐神宮の「御許山(おもとさん)」に万年青の自生種が確認されたことが語源であるというものです。

万年青(おもと)と徳川家康

万年青(おもと)は、日本では室町時代から生け花の花材として使われていたといいます。そして、1606年(慶長11年)徳川家康が江戸城本丸に入場する際に、家臣から3種類の万年青(おもと)を献上され、大変喜び、彼は床の間に飾ったといいます。

その後300年という長きにわたって徳川家が栄えたことから、引っ越しに万年青(おもと)を贈るのは縁起がいいと考えられるようになりました。これは現在でも、「引っ越し万年青」の風習として残っています。

江戸時代、大ブームとなった万年青(おもと)

江戸時代、元禄期ごろから万年青(おもと)の流行が始まったといわれています。万年青(おもと)は新葉の形や斑の変化を楽しむ「葉芸」という文化が生まれ、江戸や京都の大名や旗本たちのあいだで親しまれたといいます。

また、18世紀末の寛政年間になると、万年青(おもと)はさらに大ブームとなり、バブルを迎えた際には、現在の貨幣価値にしてなんと1億円もの価値が一株についたこともあったそうです。

いかがでしたか?

泰平の世を迎えた江戸時代。徳川将軍たちの制作や歴史上の出来事にばかり目がいってしまいますが、植物に注目してみるのも面白いのではないでしょうか?万年青(おもと)は、江戸時代以降も品種改良が進み、現在では1000種余りを数えると言います。

万年青(おもと)は、江戸で花開いた、繊細で品の良い園芸文化ではないでしょうか。

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