米津玄師「死神」の元ネタになっている落語の「死神」ってどんな話し? (4/7ページ)

Japaaan

枕元に座る死神(イメージ)

「……誠に残念ながら……」

これじゃほとんどお金はとれません。とは言え寿命なものは仕方がないので男が告げると、家族は「そんなことを言わないで、あと一ヶ月延命していただければ、千両、いや一万両をお支払いします」などと懇願します。

いくらお金を積まれたって無理なものは……いや、待てよ?男は一計を案じました。

「店の男手を集めて布団の四隅を持たせ、私が合図したら、それを回して下さい」

つまり、死神が「あじゃらかもくれん……」を聞いた瞬間に枕元と足元をひっくり返してしまえば、生き死にが逆になって患者が助かるという算段です。

死神が転寝をした隙を狙ったところ、作戦は見事に成功。今まで枕元に座っていると思っていたのが足元に座っていることに気づいた死神は大慌てで逃げ出し、患者はケロリと治って「今日も元気で煙草が旨い」などと言いだす始末。

「ありがとうございます、ありがとうございます……!」

一万両は流石に重たいので後日届けてもらうことにして、とりあえず数両ばかり手に入れた男は、ホクホク顔で歓楽街に出かけたのですが……。

蝋燭の火が……

「馬鹿野郎」

すっかり夜も更けた帰り道、男の背中に恨み言をかけたのは死神でした。そりゃそうですよね。

「米津玄師「死神」の元ネタになっている落語の「死神」ってどんな話し?」のページです。デイリーニュースオンラインは、落語死神カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る