覚鑁上人によって広まった五輪塔 名前の由来や発祥、歴史を解説 (1/2ページ)

心に残る家族葬

覚鑁上人によって広まった五輪塔 名前の由来や発祥、歴史を解説

お寺で五輪塔をよく見かけるが、五輪塔は元々墓や供養塔である。五輪塔はインドが発祥という説もあるが、インド、中国、韓国には残っていないため、日本が発祥であるという説が有力である。密教によって作られた五大(地、水、火、風、空)をかたどった塔である。平安時代後期の真言宗の覚鑁上人(かくばんしょうにん 1095~1144)が「五輪塔を建立して供養を行うと、故人が成仏し往生できる」と説き、全国的に広まった。覚鑁上人は「真言宗中興の祖」といわれており、『月輪観』『五輪九字明秘密釈』の著者である。この『五輪九字明秘密釈』が五輪塔のもととなった。

■覚鑁上人とは

覚鑁上人は興教大師という大師号も送られている。大師号とは徳の高い僧侶に天皇陛下から贈られる諡名で、現在までに25人の僧に送られている。ひとりの僧に複数の大師号を送られる場合もあるため、人数としては25人である。しかし「大師は弘法に奪われ、太閤は秀吉に奪わる」と江戸時代から言われるように、「大師」といえば弘法大師を思い浮かべる人がほとんどである。令和になってからも大師号を送られた僧がいる。黄檗宗の隠元である。しかし複数の大師号を送られる場合もあると先ほど述べたように、隠元はこれで三度目の大師号である。

■名前の由来は?有名な五輪塔といえば?

五輪塔は四角、円、三角、半円、宝珠の形をしており、それぞれ、地、水、火、風、空を表している。鎌倉の源頼朝の墓が五輪塔で有名である。

元は真言宗が始まりであるが、他の宗派にも広がり、日本中にある。また卒塔婆は木製の板であるが、形は五輪塔と同じである。また身分に関係なく五輪塔は墓石として作られた。

地、水、火、風、空は五輪なので、それぞれ「地輪」「水輪」「火輪」「風輪」「空輪」であり、それぞれ色がある。黄、白、赤、黒、青である。五輪塔は石作りが多いため色はついていないが、木製のものは着色される場合もある。寺の装飾にこの五色が使われるのはこの思想が理由となっている。

■宗旨宗派別の五輪塔

真言宗は発祥なのでもちろん五輪塔の建立は当たり前で、梵字が刻まれる。梵字の意味は「空」「風」「火」「水」「土」である。

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