「不要な輸血」もあるの!? 医療現場の最前線からの報告 (1/2ページ)
世間では、輸血の使い方についての話題が多い。
輸血に使われる血は、さまざまな歴史的な問題を乗り越え、市民から無料で血をもらうという献血システムにより製造されている。
自分たちが大きく関わるからこそ、その使用方法について議論されやすい。
今回は、必要な輸血、不必要な輸血の使い方について述べる。
医学的に輸血が必要な状態とは?まずは、医学的に輸血が必要な状態を解説する。
一言で言えば、血液が不足しており、命に関わる可能性がある場合だ。
手術や怪我などで大量出血している時や、吐血・下血・痔などで貧血が進行している場合、がんの影響で貧血になっているケースなどが当てはまる。
血液検査で、血に関する値がこの程度まで下がっていたら、輸血を検討するというおおまかな基準はある。
あまりにも貧血が進んでいれば、血液で運ばれる酸素や栄養素が全身に送れなくなる。
そのような状態では、脳や心臓などに影響が出始めて命を落とす場合があるのだ。
いわゆる「不要な」輸血とは…ここで、不要な輸血についての意見をまとめる。
よく言われるのは、高齢者に対する輸血だ。
歳を重ねるにつれて、血液を作る能力が落ちるとともに栄養もとれなくなれば、貧血になってしまう。
ほぼ寝たきり状態の方が、貧血になりやすい。
いわゆる老衰状態だ。