あまりに残酷…美女の死に様を描いた絵画「九相図」ここまで悪趣味な作品が残された理由 (1/2ページ)
野外で朽ち果てる死体のうち、とくに美しい女性の遺体が腐っていく途中経過を九つの絵に分けて描いた仏教絵画「九相図」はご存知でしょうか。
あまりにも悪趣味な「九相図」は、女性の死後まもない頃から始まり、次第に腐敗、獣や鳥に食い荒らされ、最後に残った白骨もしくは埋葬後までの様子が細かく描写されています。
九相図のなかには、絶世の美女・小野小町をモデルとした「小野小町九相図」があります。「小野小町九相図」では、小野小町の生前の姿から始まり、中盤以降では生きていた人間とは思えないような残酷な描写が描かれています。
小野小町も死んだらドクロ。彼女の遺体が腐乱していく姿を描いた衝撃的な「九相図」の意味とは?このような残酷な作品が、どうして描かれるようになったのでしょうか。
九相図の歴史九相図は日本で広まったものですが、世界中には人間の死を描写した壁画や絵画が見つかるケースは意外にも珍しくありません。
中国では、日本がまだ古墳時代である7世紀に「死屍観想」の思想や伝統が広まっていたと考えられており、これらの文化が奈良時代頃の日本に流入したことが「九相図」のはじまりだとされています。