描いた絵がその場で動く…驚愕の次世代アート集団を直撃してみた!
タイトルだけでは何のことかさっぱりだろう。ぜひ一度、動画をご覧頂きたい。
真っ白なスクリーンに幻想的な絵を描く集団。なんの絵だろう……と思う間もなく、描いたそばから絵が動き出す! いったいこれは……。
実はこれ、国内外に多くのフォロアーを持つ、ライブペインティングを得意としたアート集団「輪派絵師団」と、ビジュアルコミュニケーションのエキスパート「amanaグループ」の精鋭達による、現実空間で撮影された空間演出・映像作品。トリックでもなんでもなく、れっきとした現実のアートだ。
両者がタッグを組んで作ったこの作品は「XOVER(クロスオーバー)」というタイトル。注目を集めるこのアートの気になる製作の裏側を探るべく、製作スタッフに話を聞いてみた。
──かなり斬新な表現ですが、どうしてこの試みをすることに至ったのですか?
「まず、描いた絵がそのまま動き出すのが面白そうという動機が始まりです。各分野のクリエイターが集まってひとつの作品を作ると、どういった表現が可能なのか実験的に取り組みました。また、XOVER(クロスオーバー)というタイトルには、各分野やジャンルに捉われず、垣根を越えた表現を目指したいという意味が込められています」
──製作にあたって、こだわった点は?
「モーショングラフィックスというデジタル技術と、ライブペインティングというアナログなスキルを、ひとつのキャンパスの上で交差・共存させることですね。映像は設定した一定の間隔で連続して写真を撮影するタイムラプス撮影の一発撮りなんですが、後からCGなどで加工をしなかったのは、そこへの強いこだわりがあったからです」
──苦労した点はありますか?
「どんな仕上がりになるか、完成の姿がわからない状態で制作が進行したことですね。でも、見たことがない映像を作りたかったので、それは必須条件であり、楽しさの源泉でした」
──今後の展望があれば教えてください。
「今回は映像作品でしたが、その他の見せ方やジャンルに捉われない表現を模索していきたいです」
数あるライブペイントやプロジェクションマッピングの表現の中で、一石を投じる作品となりそうだ。生のライブパフォーマンスとして『XOVER』が楽しめる日を期待したい!
(取材・文/<bashment>)