スティーブ・ジョブズも愛した「ハレ・クリシュナ教団」のタダ飯の味

デイリーニュースオンライン

 iPhone6発売により悲喜こもごも揺れる世の中ですが、アップルといえば、かつてのCEOであった故スティーブ・ジョブズ氏。彼は若かりし頃、食うに困り、ハレ・クリシュナ教団(クリシュナ意識国際協会)でタダ飯を喰らっていたと聞きます。そんな彼のことを想いながら……というわけでは特にないんですけど、僕もごはんを求めて東京都船堀にあるハレ・クリシュナ教団に行ってきました。

 ポップなアートが出迎えてくれるハレ・クリシュナ寺院。「それっクリシュナ」。すごいセンスだ……。

 こちらがハレ・クリシュナ教団で用いられるマントラ(真言)。パワーのある言葉、要するに呪文です。般若心経も「なんだかんだ言ったけど、要はこれを唱えておけばいいんだぜ」と言って最後にマントラを紹介しています。ぎゃーてー、ぎゃーてーってやつ。あれがマントラなんですね。

 ハレ・クリシュナ教団ではミュージックに乗せて上の真言を延々と唱え……というか歌います。教団の人がいろんなボーカルラインで上のを歌うので、それを何となく覚えて、リピートアフタミーする感じ。これを2時間くらいやります。2時間!

 最初は人も少なくて、みんな座って音楽を聴いたりマントラを歌ったりしてます。これは座ってやるヨーガ。

 しかし、後半は立って踊るヨーガ! BPMもガンガン上がっていき、アゲアゲな感じになっていきます。まさに現代の踊り念仏!

 筆者も踊る! イェイ、イェイ! 隣の知らないインド人に誘われ、腕を組んでくるくる回る筆者。隣のインド人がノリノリだとたぶんみんなやることになる。

 ヨーガが最高潮を迎えた後にランチが振る舞われます。主神であるクリシュナに捧げられた食事のお下がりをみんなで食べるという位置付けのようです。いわゆる共食儀礼ですね。神道だと直会(なおらい)などがそれに相当し、実際的には、みんなでごはんを食べることにより、その宗教コミュニティが仲良くなれるという意味合いがあります。これ結構重要で、宗教団体はみんなでごはん食べるところ多いんです。

【今回のメニュー】
・ひよこ豆のカレー
・パコラ(ひよこ豆の粉を使った茄子の天ぷら)
・スイートライス(牛乳と砂糖と米のデザート)

 ハレ・クリシュナ教団は完全なベジタブル。また、教義で陶酔物を摂取できないためドリンクは水。酒はもとより、カフェインがアウトなので紅茶も飲めないそうです。さて、スティーブ・ジョブズもこれを食べてたのかなあと思い、「メニューはいつも同じなんですか?」と聞いてみました。

「いえ、違いますよ。今日はちょっとおかずとか少ないんですけど……。最近、うち貧しくって……あの、日によってはもっとおかずとか多いんですけど……今日は、ちょっと……少なくて……その……」

 か、帰りに本一冊買って帰りますね……!

 今回参加したBhajan(唱えて崇拝する、を意味するサンスクリット語)は毎週日曜日の午前に開催されています。参加費無料。特に勧誘とかもありません。ヨーガとか輪廻観とか、教義面を真面目に突っ込んで聞いていくとかなり難しい内容になっていくんですが、Bhajanの間はほとんどそういう話もないので、気軽に歌ったり踊ったりしに行くと良いと思います。音楽に合わせて気負いなく踊れる精神性の持ち主なら、純粋に楽しい。ごはんも出るよ!

【クリシュナ意識国際協会】
住所:東京都江戸川区船堀2-23-4  
電話:03-3877-3000

著者プロフィール

作家

架神恭介

広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で第3回講談社BOX新人賞を受賞し、小説家デビュー。漫画原作や動画制作、パンクロックなど多岐に活動。近著に『仁義なきキリスト教史』(筑摩書房)

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