山本太郎、園遊会事件を語る「原発事故で苦しんでいる人の声を届けたかった」

デイリーニュースオンライン

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 反原発を掲げ、参院選で見事当選。世の中をざわつかせた山本太郎議員が国会議員になって1年が経過した。自他共に認める〝異端議員〟の目に、日本の政治の現場はどう映っているのか――DMMニュース編集部では直撃取材を敢行、思う存分に語ってもらった。

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 国会議員になって丸1年が経ちました。「無所属1議席」でできることは限られている。頭ではわかっていましたけど、そのことを痛感した毎日、1年でした。

 批判もずいぶんありました。園遊会で天皇陛下にお手紙をお渡しした時もそうでした。目立とうというつもりはなかったですよ。個人からの手紙のつもりでしたから。もちろん陛下はすごく聡明で博識な方です。

 ただ、恐らく原発事故の収束現場で働いている方や、子どもたちを被爆から守るために避難されてるお母さんたちからの直接の声をお聞きになったことはないだろう、と思ったんです。自分が全国回っていろんな話を聞いて、直接いろんな人に会って聞いてきた話をお伝えしたいという気持ちでした。

「最高で最低の茶番」

 政治って、大政党にとって有利な環境づくりが完全に整えられてしまっています。大きな資金力を持たない人たちには圧倒的に不利なシステムが国会内外にあるというのを身をもって自覚しました。

 例えば選挙に参加しようと思ったら、選挙の段階でエントリー費用、入場料を払うだけで300万円、600万円かかるんですよ。もうホント狂ってます。

 そんな世界で無所属1議席の山本太郎ができることは何、ってことですよね。やっぱり国政の場で、キレイなストライクじゃなくデッドボールすれすれで投げる事と思ってます。

 いま、大手メディアが急所を握られてる状況ですよね。たとえば原発の問題に関していえば、電力会社だけじゃなく、原発事業を担う電機メーカーや資金を出す銀行。さらには株主である保険会社だったり、いろんな企業が「国策」としてかかわっている。

 それらの企業から大量の広告宣伝費を受け取っているメディアがそのタブーに触れられるかって話ですよね。そんな中で、NHKの国会中継で、政府にデッドボールに近い球を投げられたら一番最高なんですけど、「1議席」にはそれもできない。

 発言の場が与えられるのは通常の委員会に限られます。僕はいま、内閣委員会に所属しています。そこで内閣官房や内閣府などに関わる数々の法案を審議するんですが、実は今国会では、内閣委員会が審議する法案が一番多いんです。

 官房長官含めて7大臣に質問できるという状況で、これはすごく大きい。ただ、残念ながらこの内閣委員会はテレビ中継されることはなく、ネット中継のみ。

 僕はこの中継をいろんな人に「なかなか見応えあるな」「内閣委員会、熱いな」と感じて頂ける内容にしたい。委員会では、こっちが投げかけた質問に対して、政府が「質問の意味がわからないから答えようがない」みたいなふざけた答弁、面白いやりとりが観られる瞬間がある。僕自身、最高で最低な茶番を国権の最高機関と言われる場で見せてもらってますよ。そうしたおかしな政治の状況を皆さんに発信していきたい。

 空気を読まないバカですから、僕は。それ以外になんかありますかね? 張るものは体しかないですから。

著者プロフィール

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参議院議員

山本太郎

1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。

(取材・文/DMMニュース編集部)

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