"政治とカネ問題"とはもっとも無縁な政治家の条件

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逆にクリーン過ぎるというのも政治家失格!?
逆にクリーン過ぎるというのも政治家失格!?

 安倍内閣の看板閣僚であった小渕優子経済産業相と松島みどり法相が、政治とカネをめぐる問題で辞任に至ったのは周知の事実だろう。改めて、一般市民の感覚とかい離した金銭感覚も浮き彫りになった。

 ベビー用品や著名デザイナーズブランド服などの購入について、小渕氏は辞任会見でこう釈明している。

「会社などの社交儀礼と同じ。政治活動の経費として認められる」

 ベビー服については、国会答弁でも「世話になっている方の出産祝いを買った」などと話している。こうした発言に、「バカ言ってんじゃないよ」と思った読者も多いだろう。出産祝いが会社の経費で認められるなんて、一般の会社員ではまずありえない話だ。

 小渕氏は故小渕恵三元首相が父親の世襲議員。一般の感覚を持てというほうが難しいかもしれないが、政治家の金銭感覚とはどのようなものなのか。元文部省官僚で様々な政治家との交流のある京都造形芸術大学教授の寺脇研さんはこう話す。

「小渕さんの件は、無知としか言いようがありません。『わかっていなかった』で済まされる問題ではありません。政治家と一口に言っても、小渕さんのような世襲議員、民間企業出身の議員、官僚出身と様々です。政治とカネという意味では、“良くも悪くも”最も真面目なのは官僚出身の議員でしょう」

 そうなると、官僚出身の議員が目立つ民主党が最もクリーンな政党ということか。それにしても、「良くも悪くも」というのは、どういう意味なのだろう。一般国民視線としては、税金から政治家の歳費(給料)をはじめ、政治活動が支えられている以上、クリーンであって欲しいのだが……。

 寺脇さんは、一時は首相候補にも名前の挙がったある政治家の話を例にあげた。

「たとえば、ある議員が意見を求め、ブレーンとなるジャーナリストや知識人を呼び、食事会を行います。こうした場合、呼んだ側の議員が払うのが当然です。これはサラリーマン社会でも同様でしょう。しかし、その某議員の食事会では、意見を聞きたいと集められたにも関わらず、いつも割り勘です。それも3000円からせいぜい1万円。クリーンと言えばクリーンですが、人間の度量が見えてしまいますね。これでは天下はとれないと感じました」

 確かにこれでは周囲からの英知も集まらないだろう。正し過ぎる金銭感覚も、政治家としては失格ということか。いずれにせよ、これ以上、重箱の隅をつつく様な政治とカネの議論が続くことだけは勘弁してほしい。政治家としての仕事をやってください。

(取材・文/田沢健二)

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