中年汁男優を描いた映画『おやじ男優Z』はなぜ高評価なのか (2/6ページ)

東京ブレイキングニュース

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 さて、本来ならばここから『おやじ男優Z』のあらすじを紹介し、映画紹介記事として無難に終わらせるのが最も楽なのだが、今回はそういった王道を無視させていただく。というのも、この作品は世間に伝えるべき"現実世界での信じられない奇跡の連続"があまりにも多すぎ、映画の内容について語る余裕がないのである。映画が完成に至るまでの経緯は、素人が暇つぶしで書いたライトノベルかと言いたくなるほどチープなご都合主義ドラマで、事実をそのまま伝えても絶対に信じて貰えないような代物なのだ。

[西成のオッサンの遺言]

『おやじ男優Z』のプロデューサーである空乃氏は、その日も日課の大阪日本橋でのAV女優のサイン会巡りを楽しんでいた。すると、とあるビデオ屋で怒鳴り声を聞く。事情を聞いてみると、ホームレスのオッサンがAVを万引きしたので、店員が捕まえたのだという。お人好しの空乃氏は、不憫に思ってDVD代を払ってやり、挙句に店の近くのラーメン屋で飯を食わせてやった。そこでオッサンが西成の木賃宿のような場所で寝泊まりしていること、そこの広間にDVDプレイヤーがあるので、皆が見られるようにAVを土産にするつもりだったこと、昔は会社の経営者だったことなど、様々な身の上話を聞く。

 それからしばらく経ち、空乃氏がいつものように日本橋のビデオ屋でAV女優のサイン会の列に並んでいると、そこにあの西成のオッサンが現れ、突然50万円もの大金を突き付けて来た。なんでもガンの余命宣告をされたそうで、空乃氏に人生最後の頼み事をしに来たのだ。

「この金で池島ゆたかに監督を、五代暁子に脚本をお願いして、映画を撮って貰って欲しい。 あんたAV好きらしいしツテがあるだろ?」

 空乃氏はレズAVが好きというだけで、業界に強いパイプがある訳ではなく、そもそも池島ゆたかを知らなかったため、流石にその金は受け取れなかった。

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