ヘイトスピーチ後は焼き肉を…鶴橋コリアンタウンの逞しすぎる商魂

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鶴橋の焼肉ストリート
鶴橋の焼肉ストリート

 円安ウォン高傾向に拍車が止まらない。先の総選挙ではでは安倍政権が圧勝してアベノミクスの継続と長期政権が予測されるなか、当面、円安ウォン高が続くという見立てが大勢を占めている。

 そうしたなかウォン高による“風評被害”に悩むのが西日本最大のコリアタウンで知られる大阪・鶴橋だ。この鶴橋には在日コリアン経営による焼肉店が数多くひしめいている。そんな大阪・鶴橋、コリアタウンの実態に迫った。

「ウォン高」風評被害に客足は鈍り気味

「ウォン高? そんなんうちら関係あらへん。肉はもちろんやけど、いろんな食材は日本国内で仕入れてるんやさかい。直接的な影響ゆうのんはほんまにあらへんのや。でも、マスコミの皆さんが“ウォン高”て言わはるから、お客さんからも心配の声が上がってるくらいや」

 こう話すのは鶴橋にある焼肉店の店員だ。マスコミによるウォン高報道以降、鶴橋にある焼肉店のほとんどはその価格を変えることなく営業を続けているにもかかわらず、「ウォン高だから焼肉も高くなっただろう」と思い込み、客足が鈍っているという。

「2014年4月の消費税増税で、やむを得ず値上げさせて頂いたメニューもあります。それがどういうわけかお客様から『ウォン高で値上げしたんですか?』と聞かれるんですわ。消費税は仕方ないけどウォン高のせいやと勘違いしはる人多くて。正直、客足も鈍り気味で参ってますわ」(前出の店員)

 この焼肉店店員は、寒い日や雨の日ほど客足が鈍ると話す。焼肉は冬より夏に食べるものというイメージがあり、冬場はしゃぶしゃぶを食べるからだそうだ。

 とはいえウォン高の影響が皆無というわけでもない。ウォン高の風評被害で客足が若干鈍った時期、それまでコースにつけていたデザートの量を若干減らしたり、それまで使っていた調味料をより安価なものにしたり、割り箸から塗り箸へと変えるなどのコストダウンに取り組んだところもあるようだ。

「鶴橋に観光客も足を運んでくれるけど、せっかく来て貰ったのに『焼肉が高くて食べられへん』なんてことになると、うちらは申し訳ないよってに。勉強(註:価格安に挑戦するという意味)させてもらいます!」(同)

ヘイトスピーチ前に焼肉を食べていた!?

 一方、大阪・鶴橋といえば、近頃ではヘイトスピーチの被害にも悩まされている。在日コリアンにとっては聞き心地良くないシュプレヒコールがこだまし、騒ぎ立てられている。しかし、鶴橋の焼肉店に勤める多くの人たちは、「そんなに気にしていない」(別の焼肉店店員)という。

「ヘイトスピーチの内容はさておき、いま、そのヘイトスピーチを一目見ようというギャラリーもぎょうさん来てるんですわ。その人たちが帰りに焼肉を食べて、一杯飲んで帰ってくれるから。うちらは嬉しいですよ(笑)」(同)

 商魂逞しい大阪にあっては、ヘイトスピーチも毒気の強い“芸”扱いといったところか。ヘイトスピーチをしていた張本人が、その直前にスタミナをつけに鶴橋の焼肉店に訪れ、約1600円の焼肉ランチを楽しんだという冗談のような話も鶴橋界隈では有名だ。在日コリアンが作った食事を食べ、ヘイトデモに参加しに行くというのはどういう思考回路なのだろうか……。

「政治や経済の難しい問題は置いといて、鶴橋の焼肉はどこのお店も美味しいし、いまはスイーツも充実してきたさかい、大阪に来たら一度は鶴橋に足を運んでや!」

 客としてのモラルさえ守るのなら、ヘイトスピーチを行なう者でも大歓迎だという大阪・鶴橋の焼肉店。ランチだと相場は1000円から2000円程度。この価格で本格的な焼肉が楽しめる。是非、来阪の際は足を運んで欲しい。

(取材・文・写真/秋山謙一郎)

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