〝母さん助けて詐欺”が世界各国で横行…ブラジルでは「息子誘拐したぞ」詐欺

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海外の詐欺の実態とは
海外の詐欺の実態とは

 電話口で「あ、オレオレ」と息子や孫を装い、高齢者を騙す“母さん助けて詐欺”。実は、海外でも同様の手口を用いた詐欺行為が流行しているという。海外ではどのような名称で、どう行われているのだろうか。

アメリカ「祖父母詐欺」

 アメリカでも数年前から母さん助けて詐欺と同様の手口が流行しており、主に孫を装い祖父母に電話をかけてくることから「Grandparents Scam」(祖父母詐欺)と呼ばれている。高齢者でもFacebookの利用率が比較的高く、家族で繋がっていることが一般的なことから、孫の名前や近況、祖父母との関係を調査し電話をかけてくることが多いという。信ぴょう性の高さからお金を送金してしまう高齢者は後を絶たない。

スイス「孫騙し」

 孫を装い高齢者をターゲットに詐欺を行うことから、スイスを含むドイツ語圏では同様の手口を「Enkeltrick」(孫騙し)と呼ばれている。

 電話帳で高齢者と思われる古風な名前を探し、孫だと言って電話をかける。振込みを要求するのではなく、要求した金を犯人(その多くが孫の友人という設定のようだ)が直接取りに来るというのがスイス式のやり口だ。

 しかし、現在では“孫騙し”に対する高齢者の意識もかなり高くなっているため、騙される人は少数だという。

韓国「ボイスフィッシング詐欺」

 韓国では高齢者を狙う詐欺よりも、一般市民を狙う振り込め詐欺が横行している。「ボイスフィッシング」(Voice Phishing)とは、“声(Voice)で個人情報(Private data)を釣る(Fishing)”を意味する造語。

 主に海外から韓国国内に無作為に電話をかけ、警察や裁判所を装うパターンが多いという。「詐欺罪で起訴されたので、拘束されたくなければただちに送金しろ」といった内容で危機感を煽るのが常套手段。

 2014年には、400億ウォン(約44億円)を荒稼ぎしていた韓国最大規模のボイスフィッシング集団が摘発されている。

ブラジル「エウエウ詐欺」

 治安の悪さも有名なブラジルだが、現地ではかなり緊張感のある母さん助けて詐欺が行われているようだ。

「お前の息子を誘拐した。殺されたくなければ1時間以内に指定の金額を振り込め」

 こうした詐欺が通用するのは、誘拐や殺人が頻繁に起こるブラジルならでは。息子だけではなく、娘や妻など対象者を変えて脅しをかけてくるそう。人命に関わるため、警察に連絡する間もなく振り込んでしまう人も多いのだという。

 ポルトガル語で一人称は「eu」(エウ)であるから、「エウエウ詐欺」と呼ぶ人々もいる。

 呼び名は違えど、“母さん助けて詐欺”に似た詐欺行為が、世界各国で行われているのは確かなようだ。

(取材・文/DMMニュース編集部)

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