煩悩が大昇天…“尼ギャル”に人生相談ができる「尼僧バー」に行ってみた

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尼僧ギャルがお出迎え(写真/川口友万)
尼僧ギャルがお出迎え(写真/川口友万)

 尼僧がカウンターに立つバーである。それが尼僧バー。しかし、なぜにピンク? カウンターの照明がピンクなのだ。ピンクの照明がカウンターに立つ尼僧の横顔を照らすのだ。そんなにピンクでは、煩悩があらぬ方向に大昇天ではないか!

 本物の僧侶がカウンターに立ち、迷妄する客を仏の道に導く“坊主バー”がひそかに繁盛している。そのひとつ、『中野・坊主バー』の姉妹店がこの『高円寺☆尼僧バー』。なんでも坊主バーの始まりは大阪で、坊主バーとはいわばジャンル名。各坊主バーはゆるく連携はしているものの、それぞれ独立した店舗であるとのことだ。

本物の尼僧が店を切り盛り

『高円寺☆尼僧バー』は昨年12月8日にプレオープン(グランドオープンは今年5月1日の予定)した。店を切り盛りする尼僧は本物だ。街で尼僧はあまり見かけないが、少数ながらいらっしゃるという。本物の尼僧に赤裸々な煩悩を癒し聞いていただけるというから、ありがたい話である。

壁際には仏具が飾ってある。ところどころに仏教の色が出ている
芋リキュール『尼』と『僧』。『尼』は水やお湯で割るとオレンジ色からピンク色に変わるセクシーなお酒。レモンを落とすと元のオレンジ色に戻るそうだ

 しかし若くて出家して高円寺で働くなんてそんな方がそうそういるわけもなく、お手伝いには、哲学科の大学生や仏教マニアの女子がバイトで入っている。

店内はカウンターと2名掛けのテーブルが2卓のバー形式だ

 人呼んでビクニ(比丘尼)・ガールズ。着物姿がかわいい。グランドオープンの折には、尼頭巾をかぶるのだそうだ。完全に尼僧コスプレ。すべては店主の釈源光さん(浄土真宗大谷派・僧侶)の趣味、中年僧侶の好みが大爆発。ありがたや、ありがたや。

 本物の尼僧は真言宗の方だ。少年漫画ではマントラを唱えて独鈷で悪霊と戦う宗派だ。カッコいい。しかも美人。グッドルッキング尼だ。昼間はきちんとお寺で働いていらっしゃる。

「庭の掃除から檀家さんの対応、法事の方のご接待であるとか、作務をさせていただいております」

 実家がお寺でお父様は僧侶。姉妹のうち、妹が継ぐことに。そんな健気な尼僧がなぜに尼僧バー?

「坊主バーで相談をされるお客様はたくさんいらっしゃるんですが、女性だから聞ける相談や悩み事もあるんじゃないかなと始めたんです」

 頭は剃っていらっしゃいませんが、それはいいんですか?

「宗派によるんですが、私どもの宗派では剃らなくてもいいんです」

 おみくじで末吉を引いたという女性客が、神社の帰りにフラれた男にバッタリ会い、電車のホームから落ちて足を怪我したと愚痴り始めた。ニコニコしながら酔客の話を聞く尼僧。

「末吉を引かなかったら、ホームで落ちた時にもっと大怪我をしていたかもしれない。末吉を引いたから、気を付けなきゃとどこかで思っていたので、それぐらいの怪我で済んだという考え方もありますね。プラスに考えていくとハッピーになれますよね」

 なるほど。物は考えようである。……なんですか? 男に貢いでいた? 水道を止められて、六甲の水で頭を洗っていたのがかわいそうで金を貸した? 六甲の水で髪を洗うって、それはある意味で金持ちじゃないのか。まあいいや。こういう貢ぐ女性はどうなんですか?

「優しすぎても、相手が甘えてしまって成長できないってことはあると思うんですよ。たぶん、おねえさんだったら、頼ったら何とかしてくれるという甘えがどんどん出てきちゃうんじゃないですかね。結局、おねえさんがダメと言わないとどんどん甘えが出てきますよね」

 救いじゃないんですよね、それは甘え……何? お金が返って来ない? ……うわあ、そういうディープな話は尼さんとお二人でやってください。

「恋愛関係、ご家族の問題、会社の中の問題、悩んでいる方が多いと思います。お酒を飲みながら、気軽に悩み事を相談できる場になればと思っています。おひとりのお客様もよくお見えになりますよ」

 迷えるサラリーマン諸君、仏様のありがたい教えをいただきに、高円寺へGO!だ。

高円寺☆尼僧バー
  • 住所:東京都杉並区高円寺北2-38-14富士ビル2F-D
  • 電話番号:03-6383-0309
  • 営業時間:18:00~24:00
  • 定休日:火・祝
公式サイト/中野・坊主バー店主|オフィシャル・サイト

(取材・文/川口友万)

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