「シイタケが原発事故で被害に…」久間元防衛大臣がらみのNPO法人幹部が詐欺容疑で逮捕

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代表を務めていたNPO法人幹部が複数逮捕
代表を務めていたNPO法人幹部が複数逮捕

 久間章生元防衛相が元代表のNPO法人関係者がからむ東電第一原発事故被害賠償金詐欺容疑で、また逮捕者が出たことが関係者らを驚愕させている。しかも今回、警視庁に逮捕されたのは、従来の逮捕者らと異なり、久間氏と長く深いつきあいのあったNPO法人の元幹部、仁平稔容疑者だ。

「確か仁平氏はNPO法人の入居していたビルのオーナーでもあり、とにかく久間さんとは旧知の深い仲。しかもヤリ手だったと言われています」(事情通)

シイタケが原発事故で被害を受けた、と賠償申請

 今回の事件容疑で逮捕されたのは久間氏が代表だった件のNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」(東京)の元幹部、仁平容疑者と新宿区の建設関連会社「トーワテック」代表村松真二容疑者、そして2014年に逮捕されているNPO元職員の進藤一聡被告(詐欺罪で公判中)ら4人だ。

 4人は2012年の4月から5月にかけてトーワ社が福島県楢葉町で行っていたシイタケ栽培が原発事故による風評被害を受けたとする偽の申請を東電に行い、賠償金約4100万円をだまし取った疑い。

「仁平、村松両容疑者らは容疑を頑なに否認し、進藤被告ら2人は容疑を認めているといいます」(全国紙社会部記者)

 実は、この事件を不可解で、「また逮捕か」と事件を追う事件記者らを驚愕させている背景がある。ある警視庁OBはこう言う。

「進藤らが最初に逮捕されたのは昨年夏。郡山市の建設会社の役員らと組んでコンパニオンの派遣事業をしていたが、放射能漏れの影響でキャンセルが相次いだとした嘘の請求書類を東電に提出、賠償金1200万円をだまし取った容疑。この時、捜査の中心に出張ってきたのが暴力団関連の捜査をする組対3課だったため驚かされたこと。そして久間氏の関連したNPOがあったことだ」

 しかし、当時、久間氏は多くの取材に、

「僕はまったく関知しない。誰が何をしていたのか知らなかった」

 と無関係を強調していた。

賠償金総額は3億円!?

 だが、当時、NPOから書類申請し賠償金を得た別の関係者は筆者の取材にこう答えていた。

「私が申請したのは正真正銘原発被害を受けた業者。私は詐欺とは一切関係はない。だからNPOが全部が全部ウソの申請をしたとは今でも思っていないし、信じている。警察は私のところには来ていない」

 しかし筆者が「なぜ、あなたはそのNPOを頼ったか」と問うと声を大にし、こう答えた。

「それは久間さんの名があったから。当時、近い将来、久間さんが東電の役員になるという噂も聞き、賠償もスムーズに行くと思った」

 昨年夏に終息したと思われた原発NPO関係者詐欺事件。再び逮捕者が出て事件は今後どう展開するのか。当時NPOがからんだ賠償金総額は約3億円とも言われる──。

田村建雄(たむらたてお)
1950年生まれ。地方新聞記者から週刊誌記者に。現在は月刊誌、夕刊紙などに政治、事件記事など寄稿。著書に『ドキュメント外国人犯罪』『中国人毒婦の告白』など多数。
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