中国人“爆買い”の舞台裏…転売ヤーがボロ儲け

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銀聯カードのマークや「免税店」の看板が掲げられた店に中国人は殺到
銀聯カードのマークや「免税店」の看板が掲げられた店に中国人は殺到

 円安の影響もあって多くの中国人が来日している。中には、本国に戻ったときに転売するため、何台も電気カミソリやらパソコンやらを買い占める中国人も多いようだ。家電量販店勤務の島田さん(34)が、転売の儲けの仕組みを教えてくれた。

「中国だと関税もあるから、日本の定価の3割増し以上の価格です。でも、日本だと逆に2割引きとか当り前ですよね。仮に定価15万円のパソコンだったら、向こうだと19万円ぐらいかかるけど、日本だと12万円ぐらい。その差額で儲かるわけです。2台ぐらいパソコンやら一眼レフカメラやらを買えば、旅費ぐらいはすぐに稼げるんじゃないですか」

 これは、来日する中国人観光客が日本製品を買い占めるのも納得だ。反日のお国柄でありながらも、中国では「made in Japan」の表示は抜群の効果を発揮する。今は日本製であれば、電化製品でも化粧品でも洋服でも何でも売れるらしい。

転売がバレて関税を取られることも

 転売でこれだけ儲かるとなれば、日本に滞在する中国人がそれに手を出さないわけがない。牛丼チェーン店で働きながら、専門学校に通う黄さん(22)もその一人。

「僕の場合、『Joy Tokyo(最東京)』という中国のネット掲示板で、ディーラーと連絡先を交換してやり取りしていますね。やり取りとしては、まず、中国在住のディーラーから『この商品を送ってほしい』という指示を受ける。そしたら、できるだけその商品を安く手に入れて、中国に郵送する。一方、ディーラーは、商品が届いたら、『淘宝(TAOBAO)』っていう『楽天』みたいな通販サイトで顧客とやり取りして販売するんです」

 黄さんは月に120万円ぐらいの商品を郵送し、15万円ぐらいは転売だけで稼いでいるという。バイト先の中華料理店よりもずっと稼ぎがいいらしい。

「でも最近は、転売業から足を洗うディーラーが増加しています。というのも、あんまり同じ住所に送り続けていると転売だと見破られ、関税がかけられるからです。そうなると、もう旨みはなくなるどころかマイナスになります。ディーラーは定期的に送り先の住所を変更しなければいけなくて、それができる者だけが生き残っています。今はせいぜい同じ住所に3回までが限度でしょうね」

 昨年のiPhone発売の際には、価格の暴落とともに自殺する中国人転売屋も現れた。この仕事にリスクは付きもの。日本製品が売れるのはもちろん歓迎だが、日本在住の中国人の方々はまっとうに働いていただきたいものだ。

(取材・文/井川楊枝)

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