【プロ野球】楽天・デーブ大久保がNo.1か…出身ポジションでわかる「監督力」

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指揮官として不安視する声も多いが…!?
指揮官として不安視する声も多いが…!?

 3月27日、待ちに待ったプロ野球が開幕した。広島・緒方孝市、ヤクルト・真中満、ソフトバンク・工藤公康、西武・田邊徳雄、楽天・大久保博元と5人の新監督が指揮官としてデビューしたが、監督の「采配力」を出身ポジションの面から分析してみよう。

 現12球団の監督の「出身ポジション」をみると次のようになる。

  • 巨人……原辰徳(三塁手)
  • 阪神……和田豊(二塁手)
  • 広島……緒方孝市(外野手)
  • 中日……谷繁元信(捕手)
  • DeNA……中畑清(一塁手)
  • ヤクルト……真中満(外野手)
  • ソフトバンク……工藤公康(投手)
  • オリックス……森脇浩司(遊撃手)
  • 日本ハム……栗山英樹(外野手)
  • ロッテ……伊東勤(捕手)
  • 西武……田邊徳雄(遊撃手)
  • 楽天……大久保博元(捕手)

(注:複数ポジションを務めた監督は、もっとも出場機会の多かったポジションを表記。CS導入後のシーズン優勝チームは、NPB公式HPに記載された優勝チームに従った)

「捕手」出身監督が優勝回数断トツNo.1

 日本のプロ野球にドラフト制度が導入されたのは1965年のことだった。この年から巨人はV9を達成したが、その背景に長嶋茂雄、王貞治など自由獲得時代の選手の活躍があった。

 そこで、巨人V9翌年の1974年から2014年の41年間を「戦力均衡時代」として、この間の監督の「出身ポジション別優勝回数」を、優勝の多い順に並べてみよう。下段カッコ内は優勝監督だ。

  • 捕手……優勝20回/日本一13回
  • (野村克也・森祇晶・上田利治・梨田昌孝・伊東勤)
  • 投手……優勝14回/日本一6回
  • (金田正一・藤田元司・星野仙一・近藤貞雄・権藤博・東尾修・渡辺久信)
  • 三塁手…優勝14回(日本一5回)
  • (長嶋茂雄・原辰徳・阿南準郎・伊原春樹)
  • 一塁手…優勝10回/日本一2回
  • (西本幸雄・王貞治・落合博満)
  • 遊撃手…優勝10回/日本一8回
  • (古葉竹識・広岡達朗・吉田義男・バレンタイン)
  • 二塁手…優勝4回/日本一1回
  • (岡田彰布・仰木彬)
  • 外野手…優勝10回/日本一5回
  • (与那嶺要・大沢啓二・山本浩二・若松勉・ヒルマン・秋山幸二・栗山英樹)

(注:日本一の合計が41回とならないのは、リーグ3位から日本一となった2010年のロッテ・西村徳文監督をカウントしていないため)

 もっとも好成績を残しているのは捕手出身の監督であり、リーグ優勝20回、日本シリーズ優勝13回はともに最多だ。

 どちらかといえば地味なポジションのキャッチャーだが、投手に配球を指示したり、各選手のポジショニングを確かめたりなど、守りにおいて要求される“野球脳”は他ポジションの比ではない。「グラウンドの監督」と言われるのも納得の実績だ。

 捕手に次ぐのが14回の投手。「お山の大将」などと言われる通り、優勝監督には金田正一、星野仙一、東尾修など「強いリーダーシップ」を発揮した人物が目立つ。

 長嶋茂雄に代表される三塁手は「スタープレイヤー」のポジション。過去7回の優勝を数える原辰徳が、歴代の名監督に迫る成績を残している。

 一塁手は王貞治、落合博満の2人の強打者が優勝監督だ。一塁手と同じく優勝10回が遊撃手。ここまでが2ケタの優勝を記録している。

 二塁手出身監督の優勝は4回しかないが、遊撃手と二塁手は「センターライン」と呼ばれるポジションでもあり、二遊間合計では14回となる。ちなみに、広島カープを指揮した名将・古葉竹識元監督(優勝4回)は796試合出場の遊撃手でカウントしたが、二塁手としても632試合に出場している。

 外野手を最後に表記したのは、レフト・センター・ライトと3つのポジションを合わせた数値であるため。3で割ると優勝回数は3.3回と、他に比べて著しく少なくなる。

 以上のデータをみる限り「捕手は優勝に近い」「外野手出身監督は優勝しにくい」と言えそうだ。

「ボールに触れる回数」が采配力を高める

 試合中、ボールに触れる回数の多い順に各ポジションを記すと、「投手」→「捕手」→「一塁手」→「内野手」→「外野手」の順になる。この結果を受け、野球評論家の愛甲猛氏は「プレーに参加する回数が多いほど“野球脳”は高まるだろうね」と語ってくれた。

 今季の新監督でいえば外野手出身の緒方、真中両監督には不利であり、捕手出身の大久保監督には有利なデータでもある。

「いいか悪いかのどちらか」と言われる大久保博元新監督だが、星野監督の後を受けて代行となると、ベテラン松井稼頭央を1番に据えた。するとその松井が打ち出し、大久保監督就任前は.406だった勝率(28勝41敗)を.480(36勝39敗)まで上昇させた。松井自身も.249だった打率を.291まで上げている。

「第二先発」(投手2人で5回もたせる)など、これまでになかったアイデアを提示する大久保監督が、イメージとは裏腹な采配力で楽天を優勝に導くかもしれない!?

(文/後藤豊 Photo by STB-1 via Wikimedia Commons)

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