哨戒艦撃沈事件から5年、今なお北に手玉に取られる韓国 (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

哨戒艦撃沈事件から5年、今なお北に手玉に取られる韓国

韓国海軍の哨戒艦「天安」が魚雷を使った北朝鮮の奇襲により撃沈され、去る26日で丸5年となった。当日、韓国メディアはこの話題一色で、同じ日に日本で起きた朝鮮総連に対する強制捜査はほとんど無視。

目立った論調は保守系の識者らによる、「沈没は『アメリカの謀略』などという北朝鮮の主張に、いまだに同調する勢力が国内にあることが北の暴走を助長する」というものだった。

ただ、こうした議論が熱を帯びること自体、駐韓アメリカ大使襲撃事件で世界の知るところとなった国内分裂の根深さを、改めて浮き彫りにしていると言える。そして韓国の国内分裂は、様々な面で北朝鮮を利する。

これはすなわち、得意の潜水艦作戦を成功させ、最後までシラを切り通す北朝鮮側の「作戦勝ち」とも言える状況かもしれない。

破られた「暗黙の了解」

軍事的にも、韓国はいまだに、北朝鮮から一杯食わされ続けている。

韓国の軍事アナリストの間からは、「あの事件を境に、南北間の海上での軍事対立は『平面的』なものから『立体的』な次元に移行した」との指摘が聞こえる。

「天安」事件が起きる以前から、軍事境界線の西側海域(黄海)では南北の軍事衝突が繰り返し起きている。

しかしそのいずれもが、水上艦艇どうしの“一騎打ち”や“団体戦”であり、使われる兵器は艦載砲までに限られていた。衝突を限定的なものに収めようという双方の「暗黙の了解」によるものだが、それがなぜ、「天安」事件では魚雷攻撃にまで発展したのか。

伏線は、1999年の第1延坪海戦と2002年の第2延坪海戦、さらに2009年の大青海戦で引かれた。南北の警備艇が激突したこれらの戦闘で、北朝鮮は続けざまに敗北したのだ。

1970年代、多数のソ連製魚雷艇を装備した北朝鮮海軍は、当時の韓国海軍を凌駕するその戦力をもって、この海域をわがもの顔で行き来した。それが韓国に経済力で引き離されるに伴い、その新型装備に太刀打ちできなくなったのだ。

そこで、北朝鮮はやり方を変えて反撃に出る。

北朝鮮の新兵器

「天安」事件で北朝鮮は、「潜入」「待ち伏せ攻撃」「陽動作戦」を行うために、複数の潜水艇や半潜水艇、特殊部隊チームを投入した可能性が指摘されている。

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